感覚の種類
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1 .はじめに

 


感覚と知覚との違いは?
感覚とは:見たり、聞いたり、味を嗅いだり、触ったりすることなどの単純な感性経験を指します。
知覚とは:それぞれの感覚を他の感覚と合成したり、記憶と照合したりして、感覚した事象を認知することです。
例)ボールペンを見たり(視覚)触ったり(触覚)するのは感覚であり、これらの視覚と触覚を統合し過去にボールペンを見たり触ったりした記憶と照合し、ボールペンであると認知するのが知覚です。
したがって、知覚には大脳皮質諸中枢の作用の統合や記憶を司る大脳皮質連合野の機能が必要です。
今日は、感覚の種類(特に体性感覚)を中心に述べていきます。

 

 

 

2.感覚の種類


感覚は、体性感覚、内臓感覚、特殊感覚に大きく分けられます。
体性感覚:皮膚や横紋筋、関節などから刺激を伝える感覚であり、表在感覚・触覚・深部感覚に分けられます。
内臓感覚:内臓の受容器で感知される感覚であり、体温や血圧、空腹感、尿意、便意などが含まれます。
特殊感覚:目や耳など特殊な感覚器官によって感知され、脳神経を介して伝えられる感覚です。嗅覚や味覚など。

 

 

 

3.体性感覚の分類


A表在感覚:表在感覚は、皮膚で感受する温度覚と痛覚です。
・温度感覚の検査としては、40〜45°程度の温水と10°程度の冷水を試験管などに入れて、皮膚に接触させて評価します。注意点として、温度が高かったり低かったりすると痛覚を生じるため注意しましょう。また、試験管などがなくて検査が出来なくても代わりとして、ホットパックやアイスノンにタオルを巻いて検査するなどで行うことが出来ると思います。
・痛覚の検査として、爪楊枝やピンなど(衛生面を配慮して使い捨ての爪楊枝などが良いとされています。)で皮膚を軽く突いて検査します。

B深部感覚:深部感覚は、関節や筋、腱などで感受する運動覚、位置覚、振動覚、圧覚です。
・運動覚は、開眼させて関節を他動的に動かし、それを感受できるかどうかを診ます。
・位置覚は、閉眼させて関節が屈曲しているか伸展しているかを言わせることによって検査します。
※運動覚と位置覚は、ともに関節で感受されるため、両者を合わせて関節覚と称すことがあります。
・振動覚は、骨触知部位(尺骨茎状突起や外果など)に音叉を当てて検査をします。

これらの深部感覚には、意識される深部感覚(意識的深部感覚)意識されない深部感覚(無意識的深部感覚)があります。
上記に挙げた検査方法は、被検者が関節の動きや位置、振動が感受できたかを被検者に確認する=意識的深部感覚の検査方法です。臨床での深部感覚は「意識的深部感覚」を意味しています。〝日常生活における例では、椅子に座っている時は股関節、膝関節は屈曲しています。立位では股関節・膝関節は伸展しています。そして各関節はどのような肢位をしているのかは、目で確認しなくても認識できています。これは、関節からの情報が意識的深部感覚をとして、大脳皮質へ伝達されているからです。
無意識的深部感覚では、立位では、股関節・膝関節ともに伸展位ではならないといけません。しかし意識的に伸展させなくても無意識に伸展位に保持されている。すなわち、関節からの情報は、意識にのぼらなくても、無意識的深部感覚として、中枢に伝達されます。そして中枢から遠心性の筋肉や関節に命令が出力されて、姿勢が保持されています。

C触覚:触覚は、非識別型触覚識別型触覚にわけられます。
・非識別型触覚は、「単純な感覚」であり、筆やティッシュなどで皮膚に触れることによって検査します。
・識別型触覚では、被験者に開眼してもらい、検者が被検者の手掌に簡単な文字や図形を描き、何を描いたか識別してもらう検査です。その他にもコンパスを使用し同時に2点を刺激した場合にそれぞれ1点ではなく2点として識別できるか。などもあります。これが、識別型触覚であり、「詳細な感覚」あるいは、複合感覚とも呼ばれます。
臨床では、触覚のことは、「非識別型触覚」と呼ばれる事が多いです。