心不全 〜症状・リハビリ〜
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定義

定義:「なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に気質的および機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現しそれに伴い動耐容能が低下する臨床症候群」と定義されています。

 

 

診断

検査として、血中BNP /N末端プロBNP値(NT–proBNP)の測定を目安にすると良いです。
血中BNP35〜40pg/mlあるいはNT–proBNP125pg/ml以上の値を認め、症状、既往、患者背景身体所見、心電図、胸部X線などからの心不全の可能性が強く疑われる場合も心エコー法を行うことが妥当とされています。

図:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)

 

自覚症状

 

左心不全の自覚症状
初期において、労作時の息切れや易疲労感を呈するが安静時には無症状
であり、重症化すると夜間発作性呼吸困難や、起座呼吸を生じ、安静時でも動悸や息苦しさを伴います。

 

右心不全の自覚症状
食欲不振・便秘・悪心・嘔吐・腹部膨満感・下腿・大腿浮腫・体重増加などがあります。

 

低心拍出量の自覚症状
易疲労感・脱力感・腎血量低下に伴う乏尿・夜間多尿・チアノーゼ・四肢冷感・記銘力低下・睡眠障害・意識障害などがあります。

 

NYHA心機能分類
機能分類心不全の自覚症状から重症度を示す分類です。また、対象者のQOLにも相関されているといわれています。


図:Things in the closet

 

身体症状

 

左心不全の身体所見
水泡音・喘鳴・ピンク色泡沫状痰・Ⅲ音やⅣ音が聴取できます。

 

右心不全の身体所見
肝腫大・肝胆道系酵素の上昇、頸静脈怒張、右心不全高度なときは肺うっ血所見が乏しくなります。

 

低心拍出量の自覚症状
冷汗・四肢冷汗・チアノーゼ・低血圧・乏尿・身の置き場がない様相が生じます。

 

 

運動療法

 

 

心不全の運動療法は基本的に運動処方に従って行われるべきです。特に高齢者の左室機能の著明低下例、危険な不整脈や虚血出現の可能性がある例などは、監視下で行われます。

運動強度として、最高酸素摂取量が低〜中強度(peakVO2の40〜60%)、ボルグスケール11〜13(楽〜ややきつい)で設定する事で、運動療法の効果が得られます。またレジスタンストレーニングや有酸素インターバルトレーニングが良いとされています。


図:rehatora.net

 

①低強度レジスタンストレーニング

レジスタンストレーニングは骨化筋の筋力、筋持久力、筋量を増す効果があります。
低強度レジスタンストレーニングの安全性が確認され、筋力の低下した慢性心不全の対象者においては、大筋群の筋力が増す事により、上下肢を用いる日常労作が容易となりQOLが改善されます。
また作業骨格筋の相対的運動強度が低下する事によって血圧、心拍数の上昇が抑えられ心血管系の負荷が減少し、筋力低下した高齢者にレジスタンストレーニングの有効性が高いと考えられています。

内容:筋力マシーン・チューブ使用した上下肢の筋力増強・椅子からの立ち上がりex…

 

②有酸素インターバルトレーニング

ゆっくりと呼吸が荒れない様にする事が目安(ボルグスケール11〜13)です。棒体操や段差の昇降練習など対象者の負荷量に合わせて10分程度の運動から行う事がオススメされています。

図:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)