脳卒中後の自動車運転について
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本日もブログに訪れて頂き有難うございます。
ブログを運営している作業療法士のYudai(@yudai6363)です。

脳卒中を発症し社会復帰をする際に自動車の運転は必要になってくると思います。

今回、脳卒中後も安心して運転をして頂く為に、脳卒中後の自動車運転についての記事をまとめました。

 

 

 

はじめに

道路交通法により、既に自動車免許をお持ちの方が、以下に対象する病気を発症し、その後運転再開を希望される場合は、運転免許センターで、自動車運転が安全か、支障が生じないかどうか、適正検査を行い判断する事が定められています。

道路交通法により定められている一定の病気
①統合失調症
②てんかん
③再発性の失神
④無自覚性の低血糖症
⑤そううつ病
⑥重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
⑦精神障害病性障害
⑧脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)
⑨認知症
⑩アルコール・薬物中毒者

 

また、平成26年に道路交通法が改正され、運転免許の更新時に健康状態について、公安委員会に申告する事が義務化されました。

もし、嘘偽申告した場合は、
1年以下の懲役、または30万以下の罰金が設けられます。

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脳卒中の後遺症が運転に与える影響


脳卒中の以下の後遺症が自動車運転へ影響を及ぼす可能性があります。

身体機能障害
・運動麻痺(手足に麻痺がある)
・感覚障害(手足の痺れ、触った・動かした等の感覚がわかりにくい)
・視覚障害(視野が半分になったり、狭くなる)
・構音障害(うまく喋れない、呂律が回らない)

 

 

高次脳機能障害
・注意障害(注意散漫になりやすい・集中力がない)
・記憶障害(出来事などを忘れてしまう)
・半側空間無視(左右どちらか片方を見落とす)
・遂行機能障害(効率よく物事を行う事ができない)
・構成障害(形を正確に捉える事ができない)
・失語症(言いたい事が出てこない)

 

この様な後遺症があると自動車運転場面では、

・道路走行中に片方にはみ出してしまう。
・左側の通行人に気づかない。
・ブレーキ操作を誤ってしまう。
・万が一事故を起こした場合に、消防署や警察署に適切な情報を伝えられない。

などといった事が予想されます。

 

 

 

自動車運転への再開の流れ


一般的には、運転を再開するには、2つのステップがあります。

ここでは、大まかな流れを紹介します。

 

 

Step1.医師に診断書を書いてもらう!


運転免許の更新を行なっている警察署へ行き、「脳卒中の診断書」の書式を貰います。

その診断書を病院に提出し、診断書を医師に書いて貰いましょう。

イラスト:脳卒中の診断書の一部(愛知県公安委員会より)


医師が診断した結果が後の運転再開に大きく影響します。

ここで「運転に支障が生じる」との判断が下りると、基本的に運転は再開が出来なくなります。

事前に医師や作業療法士と相談する事をおすすめします。

 

 

Step2.適性検査を受ける!

 

実際に、運転免許試験場に行き、適性検査を受けます。

適性検査の内容として、身体機能評価、高次脳機能評価、ドライブシュミレーターでの評価を実施します。

自動車運転・可との結果が出たら自動車教習所での実践評価を行い、問題なければ自動車運転再開となります。

 

 

 

運転中に心がけるポイント


自動車運転の再開に当たり、安全に事故なく運転して頂く為に、いくつかの注意点を述べていきます。

 

〈注意点〉
・運転速度をあげない。

・体調が優れない場合や、倦怠感がある時は運転を控える。

・運転時間を短くし、こまめに休憩を取る。

・運転前に事前に道路状態や、道順を確認する。

・混雑しない時間帯に運転する。(朝・夕の通勤時間帯は避ける)

・自宅周辺の運転から再開し、慣れた道などを少しずつ広げ、運転範囲を広げる。

・雨や強風、雪などの天候に合わせて、運転を控える。

・夜間の運転は出来るだけ控える。

・運転中は、会話や音楽、ラジオ等に夢中にならない。

・出来るだけ同乗者を乗せ、助言を受けながら運転する。

 

 

〈もし事故を起こしてしまったら〉
・事故の続発防止の為、他の交通に妨げにならない様に自動車を安全な場所に移動させる。

・負傷者がいる場合には、救急車を呼び、救急車が到着するまで可能な限り応急手当てを行う。

・事故後、速やかに警察署に連絡し事故の場所、負傷者数、負傷者の程度、物損の程度などを報告する。

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自動車の改造について


重度の片麻痺など運動麻痺を患っている方にも、安全・安心して運転して頂く為に自動車の改造が必要となります。

〈自動車の改造例〉

・回旋ノブ


イラスト:株式会社 ミクニ ライフ&ハート

両手を使えないと、ステアリング操作(ハンドル操作)が不安定になる為「ノブ」をハンドルに取り付けて、片手での操作を行いやすくするものです。また、ノブは自分の操作しやすい場所に設置できます。

 

 

・左足用アクセル(右麻痺用)

イラスト:株式会社 ミクニ ライフ&ハート

右足に運動麻痺を患っている方が、左足でアクセルが踏める様になっています。

その他にも、様々な改造例があります。
自動車改造に関しては自動車メーカーのディーラーを介して相談する事をお勧めします。

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優遇制度や自動車保険


脳卒中など障害のある方の自動車運転に関して、代表的な優遇制度があります。

代表的な優遇制度
A.税制度
・消費税の非課税
・自動車税/自動車所得税の減免
・軽自動車の減免

 

B.各種優遇制度/助成制度
・自動車改造費助成制度
・有料道路交通料金の割引
・駐車禁止規制の適応除外
・駐車料金の割合

 

C.その他
・運転経歴証明書

 

が代表的な優遇制度となります。適用に関する詳しい内容は、お住まいの市町村の市民福祉課に問い合わせて確認してみて下さい。

 

また、自動車保険においても、脳卒中を患っているから加入出来ない。と言った事も無く、「運転免許証を取得・保有しており、自動車を所有し運転できる人」であれば加入可能です。

 

本日も最後まで見ていただき有難う御座いました。

 

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