SBLに基づいた介入〜筋膜リリース〜
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いつもブログを読んで頂き有難うございます。

臨床中、対象者さんで、よくこんな経験していないでしょうか?

・腰痛や頸部付近に疼痛の訴えがあり、痛みがある箇所をストレッチしても変化がない。

もしかしたら、その痛み "SBL (Superficial Back Line)に基づき介入する事で疼痛の緩和・消失を図る事が出来るかもしれません。"

今回は、最近メジャーになりつつある「アナトミートレイン」に基づいたSBLについてまとめていきます。

本日の流れとして



となります。

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筋膜とは?

 

筋膜とは、筋肉を包む膜の事で、ウェットスーツの様に体全体に張り巡らされ表ています。浅層から深層まで立体的に包み込む為、組織を支える第二の骨格であるとされています。

筋膜の種類として、

・筋全体を覆っている最外層の筋外膜
・いくつかの筋繊維を束ねて覆っている筋周膜
・筋繊維1本1本を包む筋内膜

の3種類に分ける事が出来ます。


引用:TRIGGER POINT

筋膜の役割として、

・身体の姿勢を保つ
・組織同士が擦れあって生じる摩擦から保護する
・筋繊維の動きを支え、力の伝達を行う

という事が挙げられます。

また、筋膜は柔らかい組織であり、萎縮や癒着しやすい特徴があります。萎縮や癒着が生じると、筋肉のコリや痛みを招き、柔軟性を損なう原因となります。

 

 

アナトミートレインとは?

 

アナトミートレインとは、筋膜の繋がりを表したものです。
筋膜の繋がりは、大きくわけて7つの線に分ける事が出来ます。


引用:アナトミー・トレイン

①SBL(Superficial Back Line)
SBLは、足底〜頭頂まで身体の後面を保護するLine

②SFL(Superficial Front Line)
SFLは、足背〜頭蓋側面まで身体の前面を保護するLine

③LL(Lateral Line)
LLは身体の両側面を支えるLine

④SPL(Spiral Line)
身体を取り巻く様に足底〜頭頂までのLine

⑤AL(Arm Line)
ALは指尖〜胸部まで繋がるLine

⑥FL(Functional Line)
FLは、両上肢〜体幹〜下肢までのLineであり、体幹にある運動時に大きな力を発揮する。

⑦DFL(Deep Front Line)
DTRは、足底から顔面頭蓋までのLineであり、身体の中心を形成する。

 

 

SBLの概説

 

SBLはイラストで示す様に身体の後面に位置しており、足底から踵を回り、背中を上がり、後頭部から額にかけて身体の浅層後面を走行しています。

SBLは 足底〜膝関節 と 膝関節〜頭部まで の2つに分ける事が出来ます。
起立時の様に膝が伸びると、SBLは筋膜が統合された1本のLineとして機能します。

 

 


SBLの役割

 

SBLの役割として、「直立姿勢を維持する」事です。
幼児は、最初SBLが低下している為、立ち上がる事ができません。成長とともに四つ這いをとり、SBLが強化されると徐々に立ち上がれる様になり二足歩行が可能となります。
また、SBLは抗重力筋といい、姿勢を保つ為の筋肉で構成しています。
抗重力筋は、遅筋繊維がメインとなっており、耐久性に優れている筋繊維となっています。

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SBLの筋肉および靭帯の構造

 

 

【短指屈筋】



起始

踵骨隆起下面

停止
第2〜5指の中節骨底

作用
第2〜5指の中節骨の屈曲

触診方法
足関節を完全底屈位、母趾を屈曲位に保持した肢位で、第2−5趾のMP関節の屈曲運動にて、短趾屈筋を筋腹にて触診する。

 

【足底筋膜】

足底筋膜が硬直すると、ハムストリングスの緊張、腰椎前弯、上部頸椎の抵抗性過伸展へ関連する。

 

【腓腹筋】



起始
外側・大腿骨外側上顆
内側・大腿骨内側上顆

停止
アキレス腱となり踵骨隆起後面の中部

作用
足関節の底屈・踵の挙上・膝関節屈曲

触診方法
膝関節伸展位で足関節の底背屈運動にて触診する。

 

【ハムストリングス】
下腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋から構成されている。

 

【大腿二頭筋】



起始

長頭−坐骨結節
短頭−大腿骨粗線の外側唇の中部1/3、外側大腿筋間中隔

停止

腓骨頭

作用

股関節伸展、内転・下腿の外旋・膝関節屈曲

触診方法

長頭:膝関節屈曲位にて、下腿の外旋運動を行い大腿二頭筋長頭の内縁を触診する。
短頭:股関節を過伸展、膝関節を100度屈曲した肢位からの膝関節屈曲運動にて、大腿二頭筋短頭を大腿外側から触診する。

 

【半腱様筋】

起始
坐骨結節の内側面

停止
脛骨粗面の内側

作用
膝関節屈曲、下腿の内旋(膝屈曲位)、股関節の伸展

触診方法
膝屈曲位にて下腿の内旋運動を行い触診する。膝窩の内側にあるのが半腱様筋となる。

 

【半膜様筋】

起始
坐骨結節

停止
脛骨内側顆・斜膝靭帯

作用
股関節屈曲、腿の内旋(膝屈曲位)、股関節の伸展

触診方法
腹臥位にて膝関節の屈曲運動を行い、膝窩内側で膨隆する腱を触診する。

 

【仙結節靭帯】

坐骨結節と仙骨および尾骨の側縁をつなぐ靭帯。

 

【脊柱起立筋】
外側の筋群を腸肋筋、中間内側の筋群を最長筋、再内側の筋群を棘筋から構成される。

 

【腸肋筋】

起始
腸骨綾および仙骨後面・第12〜3肋骨の肋骨角上縁

停止
第12〜1肋骨の肋骨角および第7〜4頸椎の横突起の後結節

作用
両側が作用すると脊柱を反らせ、肋骨を引き下げる。片側が働けば体を同側に曲げる。

 

【最長筋(胸最長筋・頸最長筋・頭最長筋)

起始
<胸最長筋>
腸骨綾、仙骨および腰椎の棘突起
<頸最長筋・頭最長筋>
胸椎の横突起ないしは、頸椎の関節突起

停止
<胸最長筋>
全腰椎の肋骨突起と第3〜5以下の肋骨
<頸最長筋>
第2〜6頸椎の横突起の後結節
<頭最長筋>
側頭骨の乳様突起

作用
両側が作用すると脊柱を反らせ、肋骨を引き下げる。片側が働けば体を同側に曲げる。頭最長筋は同側に頭を曲げるが、その他に同側に頭を回す。

 

【棘筋】



起始
第2腰椎〜第12胸椎の棘突起

停止
第8〜第1胸椎の棘突起

作用
片側が動けば、体を同側へ曲げる。両側が動けば体を背屈させる。

 

【帽状腱膜】
帽状腱膜は、前頭筋・側頭筋・後頭筋から構成される。


【前頭筋】

起始
帽状腱膜の前方

停止
眉間と眉部の皮膚

作用
眉弓を引き上げ前頭部に皺を作る。

 

【側頭筋】

起始
帽状腱膜の側方

停止
下顎骨の筋突起

作用
下顎骨を引き上げて、歯を噛み合わせる。

 

【後頭筋】

起始
上項線の外側2/3部、側頭骨の乳様突起

停止
帽状腱膜

作用
眉弓を引き上げ前頭部に皺を作る。

 

 

SBLの筋硬結しやすい箇所

 

SBL の筋硬結しやすい箇所として、

・足底筋膜

・アキレス腱
・帽状腱膜

が最も硬結しやすい箇所となります。
その結果、頭痛や背部痛(頸部〜腰部)、下肢後面の疼痛が生じます。

理由は、Lineの端と端の場所だからです。先ほども説明した様に筋膜Lineは1枚のLineで繋がっており、その端と端が「足底筋膜・アキレス腱・帽状腱膜」といった場所になるからです。

どちらか、一方のLineを引っ張ると、構造上1番端の付着している部分にストレスが最も大きく掛かります。
そのため、SBLを全体的に評価する中で、足底筋膜・アキレス腱・帽状腱膜などの足関節や頸部を中心に見る事がおすすめです。

 

 

治療法

 

短縮している筋に対して、伸張した状態でダイレクトストレッチを実施すると、伸張刺激による疼痛で防御性収縮を及ぼし悪影響となります。

治療方法としては、筋を短縮させた状態で、手掌面で指圧を加え小さい範囲で、ゆっくりと長軸方向へダイレクトストレッチを15〜30秒間実施していきます。

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臨床の一例

 

実際に、SBLの構造を理解した上で臨床を行うと効果が出ます。
例えば、

・足関節の背屈に制限がある。

→ハムストリングスが硬結しており、リリースする事で足関節の背屈可動域が向上する。

・頸部の伸展ROMに制限がある。

→アキレス腱が硬結しており、リリースする事で頸部の伸展可動域が向上する。

といった事が臨床で見られます。

 

 

まとめ

 

SBLは、足底〜頭頂まで身体の後面を保護する1本のLineで繋がっており直立姿勢を維持する役割がある。
SBLの機能は悪くなると、頭部〜足部のLineに疼痛が生じる。
治療法として、SBLに沿って防御性収縮を引き出さずに筋を短縮させた状態で、手掌面で指圧を加え小さい範囲で、ゆっくりと長軸方向へダイレクトストレッチを実施していく。

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