脳卒中後の上肢機能改善を目的とした装具療法
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本日も、ブログを読んで頂き有難うございます。

今回の記事の内容は、


についてまとめていきます。

 

 

 

はじめに


装具とは

・変形を防止するもの
・変形した四肢を支持するもの
・身体部位のアライメントを整えるもの
・可動部位や脱臼などの部位の固定をするもの

といった役割があります。


最近の研究では、
装具の使用によって痙縮が軽減するといった報告がみられ、課題指向型アプローチを行う前段階の痙縮のコントロールをするといった点で有効とされています。

また手指の伸展を補助する機能のついた動的装具を使用し、重度運動麻痺を呈した対象者に対して、集中練習を行った結果FMAにおいて有意な改善を認めたとの報告があります。

この事からも、装具療法はコンディショニングの為だけでなく、上肢の機能改善を目的としても使われています。

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課題指向型アプローチ導入


臨床場面で、装具の使用によって安静時の筋緊張は軽減し可動域の改善も図れていたが、いざ手を動かし物品を持とうとすると筋緊張が亢進してしまい手指が伸展しない。といった現象が多々見られると思います。

その様な対象者に対して、物品の把持・離しを可能にする為の装具の導入が必要になってきます。

装具療法の導入ポイントについては、軽度・中等度・重度の3つに分類して説明していきます。

 

 

1)軽度運動麻痺対して

BRS Ⅳ程度の上肢運動麻痺の対象者では手指の伸展は可能。

じかし、母指内転筋の痙縮は残存しており、指腹つまみ対立位でのつまみ困難となります。

この様な対象者に対して、CMバンドが効果的である事が多いです。



image:中村ブレス株式会社

CMバンドの役割として、
母指と示指の指間距離を拡大し対立位を取る事で、より大きな物品を把持する事が可能
となります。

CMバンドを使用する事で、
課題のバリエーションを増やす事ができ、
スプリント自体の伸張性もあり母指の伸展を介助する事が可能
となります。

補助手として物品を把持して固定したいが、母指が内転してしまう為に物品を保持できない対象者に対して、CMバンドだけで補助手としての使用が可能となります。

また、母指内転筋の持続伸張の効果もあるので、痙縮の改善も見込めます。

 

 

2)中等度麻痺に対して

BRS Ⅲ程度の上肢運動麻痺の対象者では、痙縮の亢進により手指の伸展は僅かな状態で、屈筋共同運動で手指の屈曲は何とか可能な場合が多いです。

日常生活においては、
物品を握り込んだり、離せなくなるといった問題点
が挙がります。

この様に手指を握り込んでしまう場合は、
CMバンドだけでは手指の伸展を介助する事が困難
です。

そこで、短対立装具を使用する事で課題の実施を可能にできます。

image:砂田義肢製作所

重度の上肢麻痺では手のアーチは崩れ、物品を把持する際のプレシェイピングは困難となる為、まずは短対立装具を使用し麻痺手を良好肢位に保持して使用できる様にします。

短対立装具の場合は対立位で麻痺手を保持できるため、装具で作った指間距離に合わせた物品を把持する事が可能になります。

また、物品を離す際はテノデーシスアクションを利用したりする事で可能だが、手指の伸展が微弱な対象者には、IVESなどの電気刺激を併用し手指の伸展を介助する事が望ましいです。

その他にも、練習以外にも装着する事で、持続伸張による痙縮の改善も見込めます。

 

 

3)重度麻痺に対して

BRS Ⅱ程度の上肢運動麻痺の対象者に対しては、手指の伸展はもちろん困難であり、Wernicke-Mann肢位を呈している事が多いです。

この場合、短対立装具のみの導入では手指の伸展が困難である為、動的スプリントの導入が必要となってきます。

 

代表的なものとして
・Spiderスプリント
・カペナーススプリント
が挙げられます。

 

Spiderスプリント


image:脳卒中後亜急性期にカペナーススプリント改良型を使用して麻痺手の実用生活における使用に促した一例

Spiderスプリントとは、ワイヤーを用いて母指・示指・中指で固定し、ワイヤーの抵抗で手指を伸展させていきます。

ワイヤーが伸びていくのに合わせて、手指を伸展させれば物品を離す事が可能となります。

ただし、Spiderスプリント単体ではワイヤーに引っ張られてしまう為、短対立装具や、背側手関節装具等の併用が必要となります。

 

カペナーススプリント


image:脳卒中後亜急性期にカペナーススプリント改良型を使用して麻痺手の実用生活における使用に促した一例

カペナーススプリントとは、日常生活で麻痺手を実用手・補助手として使用する為の装具です。

コイル型に加工した外部動力によって、手指の伸展をアシストしてくれる装具であり、手指の伸展が不可能な対象者に適応されます。

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安静時スプリント


装具療法では、練習時間以外においても装具を着用する事で、痙縮の亢進している筋の持続伸張が行える為痙縮の改善が図れます。

しかし、より重度の対象者では痙縮とへ別に筋自体が短縮している場合が多く、CMバンドや短対立装具などでは伸張が不十分です。

その場合には、安静時装具なども導入し、痙縮や筋の短縮の改善を図っていく必要があります。

 

夜間スプリント

image:aliexpress

 

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まとめ


装具とは、・身体部位のアライメントを整えるもの。・機能改善を目的とするもののふたつに分かれます。

今回、機能改善を目的とした装具療法についてまとめました。

運動麻痺のStageに合わせて、適切な装具を選択し日常生活に中でどう汎化させていくかが重要です。

本日も最後まで読んで頂き有難うございました。

 

 

参考書籍

脳卒中後亜急性期にカペナーススプリント改良型を使用して麻痺手の実用生活における使用に促した一例

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