
肩関節痛を患っている対象者にの介入って難しいと感じてませんか?
とりあえず、
「リラクゼーションやROM-exしとけばいいや」
って思っていませんか?
この様な介入では、肩関節痛の改善を図る事は困難です。
肩関節痛の改善を図る為には、
どこが痛むのか?
いつ痛みが生じるのか?
どこの方向に動かすと痛むのか?
といった評価をして、介入する必要があります。
今回の記事の内容では、イラストを使用し
"肩関節痛に対しての評価・鑑別"
についてまとめました。
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目次
肩関節痛に対しての分類
肩関節痛を患っている対象者に対して最初に行う事は、
対象者が訴える痛みに対して問診(評価)を行う事です。
①受傷機転は?
②いつ痛みが生じるのか?
③どの動作で痛むのか?
①受傷転機は?
なぜ肩関節痛が生じたのかを確認します。
受傷機転は大まかにわけて、
外傷性による肩関節痛と自然発生による肩関節痛
に分類します。
外傷性による肩関節痛
外傷性による肩関節痛とは、
組織損傷や、脳卒中などによって肩関節包の拘縮や筋の拘縮、萎縮などによって生じる二次的(原因がわかる)な関節機能低下が主体となって生じる肩関節痛の事です。
自然発生による肩関節痛
自然発生による肩関節痛とは、
肩関節周囲炎などの退行変性や、一次的(原因が不明)な関節機能低下が主体となって生じる肩関節痛の事です。
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②いつ痛みが生じるのか?
ここでの評価Pointとして、
肩関節痛は、自発痛or運動時痛なのかを評価します。
自発痛とは、
安静にしていても痛みが生じている状態。つまり日夜問わずどの姿勢でも常に痛い状態です。
一方、運動時痛とは、
特定の運動や姿勢を取ると痛みが生じたり、日常生活の中で肩関節を動かすと痛みが生じる状態です。
自発痛に対して
自発痛が生じている場合は、自発痛が軽減出来るように、ポジショニング等を行い出来るだけ関節の安静を確保する事を行っていきます。
ポジショニングに関しての詳細は、こちらのblogを参照する事をお勧めします。
その他にも、電気刺激療法(TENS)や温熱療法といった物理療法を実施したり、患部外のエクササイズを実施して改善を図ります。
電気刺激療法に関しての詳細は、こちらの文献を参照する事をお勧めします。
運動時痛に対して
特定の運動や姿勢での痛みが生じている場合は、その動作を避ける様に動作指導を実施したり、次のステップである、どの動作で痛むのか?を更に評価する必要性があります。
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③どの動作で痛むのか?
痛みの動作を問診した上で、その痛みに対しての関節運動を、自動運動と他動運動で評価します。
例として、
・高いところの物を取る。
⇒関節運動は、肩関節挙上
・Tシャツの首元を脱ぐ(後面で)
⇒関節運動は、肩関節外旋
⇒関節運動は、肩関節内旋
となります。
肩関節挙上での痛み
肩関節挙上運動では、3つの痛みが主な原因となります。
・肩峰下インピンジメント
・関節内インピンジメント
・腱板筋の収縮時痛
この3つの痛みの原因に対して、肩関節挙上運動を自動運動・他動運動で評価します。
⇒挙上中間域の疼痛(自動・他動運動)
⇒挙上最終域の疼痛(自動・他動運動)
⇒自動挙上開始時の疼痛
肩関節外旋での痛み
肩関節外旋運動では、3つの痛みが主な原因となります。
・肩峰下インピンジメント
・関節内インピンジメント
・関節包や靭帯の伸張痛
この3つの痛みの原因に対しての評価は、2つの肢位で評価します。
・肩関節面挙上30°での外旋
・外転90°での外旋
肩関節面挙上30°での外旋
肩甲骨面挙上30°で行う理由は、肩峰下インピンジメントが生じない角度であり、結合組織が全体的に伸張されやすい肢位となっているからです。
(肩関節挙上0°では上方の結合組織が伸張され、外転90°では下方の結合組織が伸張されやすい。)
評価として、イラストの順に実施していきます。
肩関節外転90°での外旋
肩関節外転90°での外旋では、主に可動域制限を伴う痛みと可動域制限がなく最終可動域生じる痛みに分ける事ができます。
評価として、イラストの順に実施していきます。
肩関節内旋での痛み
肩関節内旋運動では、3つの痛みが主な原因となります。
・肩峰下インピンジメント
・関節内インピンジメント
・関節後方組織の伸張痛
この3つの痛みの原因に対しての評価は、2つの肢位で評価します。
・肩関節面挙上30°での内旋
・外転90°での内旋
肩関節面挙上30°での内旋
肩甲骨面挙上30°での内旋では、主に前方に生じる痛みと後方に生じる痛みにわける事ができます。
評価として、イラストの順に実施していきます。
肩関節外転90°での内旋
外転90°での内旋では可動域制限を伴って痛みが生じている場合が多いとされています。
その場合は、肩峰下インピンジメントが原因であるとされています。
評価として、イラストの順に実施していきます。
まとめ
今回、肩関節痛の評価についてまとめました。
評価Pointである
①受傷機転は?
②いつ痛みが生じるのか?
③どの動作で痛むのか?
を意識して評価すると、肩関節痛の原因を突き止め的確な介入が出来ると思います。
最後まで読んで頂き有難うございました。
関連内容
肩峰下インピンジメントについて
引用文献・書籍
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