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管理人のYudai(@yudai6363)です。
今回は、「運動学習」についての理解を深めていきます。
突然ですが、リハビリを提供する際に「運動学習」を理解しながら介入していますか?
リハビリにおける運動学習でのアプローチとはとても重要とされています。
本記事では、リハビリテーションにおける運動学習の獲得過程について述べていきます。
運動学習とは
そもそも、学習とは何でしょう?
学習とは、「経験に基づいて新たな知識や技術を習得する事で、その結果として行動が変化する過程を指す」とされています。
また運動学習とは、「練習や経験に基づく一連の過程であり、 結果として経験的によって身につく能力 の比較的永続的な変化をもたらすもの」とされています。
さらにリハビリによる運動学習とは、「リハビリは学習の過程であり、リハビリを実施する中で失った機能を回復させ適応や代償する方法を対象者の脳が学習する過程」とされています。
運動学習の段階
運動学習によって動作を獲得する過程には運動学習の段階が重要となっています。
運動学習の段階には、
1)認知段階(初期相)
2)連合段階(中間相)
3)自動化段階(最終相)
にわける事が出来ます。
下のイラストは、練習量と課題の達成度との関係を表す学習曲線です。
image:運動学習に基づくリハビリテーション
1)認知段階
image:運動学習に基づくリハビリテーション
認知段階では運動課題を理解して、「何をどうすれば良いのか、どんな成果が出るのか」を考える段階です。
また認知段階は、運動課題を認知する段階であり、運動スキルの習得に向けた動機付けが重要となります。
その為、まずは対象者にとって意味のある活動を目標として設定する事で、動機付けを行っていく必要があります。
♠認知段階でのリハビリテーション
・意味のある活動の目標を共有する。
・目標を達成する為の運動課題を70%程度の難易度に設定する。
・課題に集中しやすい環境のもと反復練習を導入する。
・運動課題終了後には自身の運動スキルをどのようにとらえているかを確認する。
・療法士は運動制御に関する外的FBを与える。
といった事が重要となります。
2)連合段階
image:運動学習に基づくリハビリテーション
連合段階では、課題の内容に焦点を当てるのでは無く、自らのパフォーマンスの結果や知識に焦点を当てます。
つまり、結果の知識を対象者に与え内在的FBを促進していきます。
その為、連合段階では課題を行う中で、対象者が自ら得る内在的FBに基づいた手続き学習が重要な役割を果たします。
♠連合段階でのリハビリテーション
・外在的FBの頻度を減らし、内在的FBの頻度を増やす。
・外在的FBを調整して視覚FBへの依存度を減らし、固有感覚FBを増やす手続きを踏む。
・対象者自身がパフォーマンスの知識不足や結果が不足であれば、再度認知段階から実施する。
といった事が重要となります。
3)自動化段階
image:運動学習に基づくリハビリテーション
自動化段階では、連合段階で得た運動スキルを何も考えずに行う事ができるようにする段階です。
つまり、リハビリテーションにて得た動作を日常生活で実用化される事を目指します。
♠自動化段階でのリハビリテーション
・様々な状況下で必要なパフォーマンスが楽に再現できるように様々な環境で行う。
・生活場面の設定、代償手段の適用などの検討を実施する。
といった事が重要となります。
フィードバック(FB)
そもそもFBとは何でしょう?
FBとは、「原因や情報を探し修正する、そして得られた原因や情報を元に、目標値と得られた結果を埋めていく過程を学習する」とされています。
またFBは、外在的FB と内在的FB の2種類があります。
外在的FB
外在的FBとは、対象者以外から検出された情報を元に修正していく事を指します。
外在的FBは、顕在化を図る為の補助的な役割を果たしています。
運動課題の終了時に与えられるFBには、
・課題を行なった結果がどのようなものであったかを伝える「結果の知識:KR」
・実行されたパフォーマンスにどのような特徴があったかを伝える「パフォーマンスの知識:KP」
があります。
♠Point
結果の知識(KR)やパフォーマンスの知識(KP)は、対象者以外から得られる情報であり、これらの情報提供は運動学習の認知段階で活用する事が重要です。
内在的FB
内在的FBとは、対象者自身が検出した情報を元に修正していく事をさします。
内在的FBには、運動課題の最中に得られる感覚情報と課題終了後に抽出された運動の記憶や、結果・パフォーマンスの状態についての感覚情報が含まれます。
また、実行課題に対しての記憶や結果・パフォーマンスが自身の予想よりも上回った際に報酬が生じるとされています。
♠Point
内在的FBは、運動学習の連合段階から自動化段階にかけて活用する事が重要となります。
まとめ
今回、運動学習の獲得過程についてまとめました。
運動学習を用いたアプローチは、脳疾患や整形疾患など全ての疾患に用いる事が出来ます。
対象者が目標となる動作を獲得する為に、現在の段階はどこなのか?を意識してアプローチする事が重要です。
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