
本日もブログに訪れて頂き有難うございます。
ブログを運営している作業療法士のYudai(@yudai6363)です。
今回は、生活機能分類「ICF」についてまとめました。
ICFの成り立ち
かつての医学の対象は「病気の克服」であり、
疾病の病因と病態を追求する病理学を主体とする
病因−病理−発現
という医学的モデル「ICD」が使われていました。
医学の発展に伴い救命率が向上や、高血圧や糖尿病などの慢性疾患の増加により疾病をみるだけでは不十分となってきました。
そこで、障害に目を向ける
「国際障害分類:ICIDH」
が1980年にWHOにより発表されました。
ICIDHの基本モデルは、
疾病−機能障害−能力低下−社会的不利
という疾病の結果に関するマイナス面を障害レベルの3相に分類されるものでした。
そして2001年には国際障害分類の改正版「国際生活機能分類:ICF」がWHOにより発表されました。
ICFは、"障害の有無に関わらず、全ての人を対象にており健康に目を向けた健康の構成要素に関する分類"とされています。
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ICFとは
ICFとは、障害のある人だけに関するものと誤解されがちですが、全ての人に関する分類です。
障害や疾病を診断名ではなく、その症状が生活にどんな困難を及ぼしているのかという点に着目します。
生活する事や人生の全体像を捉え、その人が取り囲まれた環境や人生観などを含めながら包括的に捉えるのがICFの特徴です。
ICFは、「生活機能の分類」と「背景因子の分類」で構成されます。
そして、生活機能に影響する「健康状態」を加えたのが、ICFの生活機能モデルとなります。
下の図からも分かる様に、ICFの生活機能モデルは、全ての因子が影響を受けて成り立っています。
・既往歴
・服薬内容 など
・栄養
・睡眠
・筋力
・麻痺
・排泄
・衛生
・精神状態 など
・基本動作
・移動
・ADL
・家事動作
・金銭管理
・内服管理
・外出先の有無
・趣味活動
・仕事
・友人や親戚などの交流
・地域の居場所
・日中の活動の有無
・物的環境
→福祉用具、住宅改修・人的環境
→家族、友人等・社会的環境
→制度(介護保健・障害者手帳)、サービス等
・年齢
・性別
・性格
・生活歴
・ライフスタイル
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ICFでのプログラムの立案
ICFで個人の生活機能を全体像で捉えた場合に、リハビリにおけるアプローチが
「身体機能・構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」
のどこに対し介入するのかを考える必要があります。
介入の仕方として、対象者の健康状態を
「Wellness」で置き換えると分かりやすいです。
「Wellness」とは、「元気な状態、非常に良い状態」とされ、WellnessはQOLと直結しています。
つまり、
"現在の健康状態より仮想の健康状態=Wellnessの向上を目的に介入する事が重要"
です。
その為には、ICFの
「健康」
「身体機能・構造」「活動」「参加」
「環境因子」「個人因子」
の全てもしくは、一部を変化させる必要があります。
変化とは、"現在のICFと仮想のICFのギャップを埋める事が「介入プログラム」"となります。
ICFにおけるリハビリテーションの介入手段は、
①治療的アプローチ
②代償的アプローチ
③社会的アプローチ
の3つから成り立ちます。
○身体機能・構造のギャップを埋める為には、
→主に治療的アプローチを用いります。
○活動そのものにギャップを埋める為には、
→代償的アプローチや、活動に関連する治療的アプローチを用いります。
○参加そのもののギャップを埋める為には、
→社会的アプローチや、参加に関連する活動を向上させる為には、代償的アプローチや、治療的アプローチを用いります。
まとめ
今回、ICFについてまとめました。
ICFは、全て人に当てはめる事が出来る、健康に目を向けた「健康の構成要素に関する分類」です。
リハビリにおけるICFを用いた介入では、対象者のNeedや、求めている生活を聴取し、QOLが高くなる様な介入をする事が療法士に求められると感じます。
ICFについての詳細はこちらを参考にすると、より理解が深まると思います。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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