
車椅子を利用する対象者は、離床している時間の大抵は車椅子だと思います。
車椅子座位では体重のほとんどを座面で支持している為 、「殿部にかかる負担が大きい」です。
また、意識障害や感覚障害、低栄養などの対象者においては、車椅子に座る事により褥瘡が発生するケースが高くなるとされています。
褥瘡を発生させない為や、快適に日常生活が送れる為には"クッション"を使用する事が重要となってきます。
今回の記事では、車椅子クッションの種類や機能についてまとめていきます。
スポンサードリンク
車椅子クッションの選定
車椅子の座面シート部分は固く、長時間の座位に耐えられるものではありません。
車椅子が劣化すると、シートのたわみが大きくなる事で骨盤が傾斜したり、殿部が滑るなどにより「仙骨座り」などが生じる可能性があります。
選定する際、クッションを使用する目的は何なのか?を明確にする必要性があります。
クッションの目的として、
・動きの補助(車椅子自走など)
・姿勢保持
・圧分性(除圧能力の高いもの)
があります。
しかしこの3点を全て満たすのは困難な為、ある程度の優先順位を決める必要性があります。
また、材質で分類すると、
・ウレタン系クッション
・ゲル(ジェル)系クッション
・エアー系クッション
・複合系クッション(ウレタン系+ゲル系)
の4つに分ける事が出来ます。
スポンサードリンク
☆ウレタン系クッション
image:車椅子販売のセラピーショップ|日本最大級の車椅子通販
・価格が安い。
・カッターや接着剤で切ったり、貼ったりでき加工しやすく座位保持に優れている。
・圧分性は衰える。
・長時間使用していると、へたりが生じやすい。
・紫外線や水分に弱い為、水で洗ったり日光に干す事が出来ない。
・気候によってクッションの硬さが変わる。
☆ゲル(ジェル)系クッション
image:ジェルトロン総合カタログ
・長時間座っていても殿部痛が生じにくい。
・圧分性に優れている。
・経年変化が起こりにくい。
・クッション自体重い。
・長時間座っていると蒸れる。
☆エアー系クッション
image:わくわく直観堂
・長時間座っていても殿部痛が生じにくい。
・長期間使用していても変形が少ない。
・圧分性に優れている。
・車椅子での走行中の衝撃を緩和できる。
・空気量の管理を定期的に行う必要性あり。
・空気の上に座る為、姿勢が不安定と感じる場合がある。
☆複合系クッションル
image:サンライズメディカルジャパン
上記の材料などを組み合わせたクッションです。
それぞれの材料を組み合わせる事で効果を高めたり、短所を補います。
スポンサードリンク
まとめ
前回の記事に引き続き、今回は車椅子クッションの選定について述べました。
クッションを選定する際、車椅子を利用している対象者のニーズや全身状態、メンテナンスの容易さを配慮して選定していきます。
またクッション使用時は、坐骨や尾骨の底付に注意し、カバーの前後・裏表の確認も忘れずに行ないます。
本日も最後まで読んで頂き有難うございました。
もっと、車椅子調整への理解を深めたい方はこちらを参照して下さい。