行動・心理症状(BPSD)を理解する。〜原因・分析・評価を中心に〜
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管理人のYudai@yudai6363です。

 

今回は、認知症の「行動・心理症状(以下:BPSD)」についてまとめていきます。

 

 

BPSDとは

BPSDとは、"記憶障害や見当識障害、判断力低下などの中核症状の低下によって引き起こされる二次的な症状"とされています。

 

BPSDによって、
・易怒的になり、些細な事でイライラするしたりや興奮する。
・状況に応じて感情や衝動を抑えられない脱抑制や異常行動。
・介護者に対しての暴力。
などが生じます。

image:認知症の周辺症状(BPSD)への対応より一部改変

またBPSDが出現する事で、

・BPSDを患う対象者と介護者のQOLが低下する。

・介護者のストレスが増大する。

などの問題が多岐に生じます。

 

 

 

BPSDの原因

BPSDが生じる原因として、

①行動と情動に関与している脳部位の変性が原因で、各症状が直接的に引き起こされる。

②BPSDを患う対象者の個人因子や、介護者の個人因子、環境などによってBPSDが生じる。

とされています。

image:Assessment and management of behavioral and psychological symptoms of dementia.  より一部編集

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BPSDの分類・種類

BPSDの分類は、いくつかあります。

ここでは、2種類の分類についてまとめます。

 

 

IPAの分類

国際老年精神医学会(IPA)の分類によると、行動症状と心理症状に分類されます。

行動症状

・身体的攻撃性

・徘徊(放浪)

・不穏

・焦燥

・非常識な行動と脱抑制

・金切り声(高く鋭い声)

 

心理症状

・妄想

・睡眠障害

・幻覚

・不安

・抑うつ

・誤認

に分けられます。

 

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BPSDの陽性・陰性症状

陽性症状

①活動性亢進

・焦燥性興奮

・易刺激性

・脱抑制

・徘徊

・攻撃的行動などの異常行動

 

 
②精神病様症状

・幻覚

・妄想(物盗られ・被害)

・誤認

・夜間異常行動

 

陰性症状

①感情障害

・不安

・うつ

②アパシー

・自発性・意欲低下

・不活発

・周囲の興味欠如

 に分けられます。

 

 

 

BPSDの評価尺度

BPSDに対しての評価尺度は多数ありますが、今回は代表的な評価尺度を紹介します。

 

NPI-NH

NPI-NHとは施設入院、入所中の認知症を患う対象者のBPSDの頻度と重症度および介護者の介護負担度を数量化する事ができる神経心理検査です。

 

構成として、

「妄想」「幻覚」「興奮」「うつ」「不安」「多幸」「無関心」「脱抑制」「易刺激性」「異常行動」「夜間行動」「食行動」

の12項目で構成されています。

 

評価方法として、検査用紙に従って、用意された質問項目に沿って介護者に面接を行い実施します。

 参考)NPI-NHとはー株式会社マイクロン

 

 

BEHAVE-AD

BEHAVE−ADとは、家族、または介護者に対して用意された質問に沿って面接を行い実施します。また、質問では認知症を患う対象者の最近2週間におけるBPSDについて尋ねていきます。

各項目に対して、0点〜3点の4段階で評価し、その項目に対する重症度を算出します。

 

構成として、

①妄想概念:
・物盗られ妄想、場所の見当識による妄想、介護者への誤認妄想など

②幻覚:
・幻視、幻聴、幻嗅、幻触など

③行動障害:
・徘徊、無目的な行動、不適切な行動など

④攻撃性:
・暴言、威嚇、暴力、不穏

⑤日内リズム障害:
・睡眠、覚醒の障害

⑥感情障害:
・悲哀、抑うつ

⑦不安および恐怖:
・約束や予定の不安、ひとりぼっちにされる恐怖、その他の恐怖

の7つのカテゴリーで25項目を評価します。

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まとめ

今回は、BPSDについての原因や分類・種類に対して中心にまとめました。

BPSDは中核症状の低下によって引き起こされる二次的な症状とされ、些細な事で興奮したり、イライラするなどの症状(陽性症状)や自発性が低下し意欲を伴わない(陰性症状)などの症状がみられます。

BPSDが出現する事で、住宅介護が困難になり、介護者のストレスが増大するなどの問題が多岐に生じます。

BPSDに対しての代表的な評価尺度は、「NPI-NH」と「BEHAVE−AD」があります。

 

 

参考文献