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管理人のYudai(@yudai6363)です。
今回は「BPSDに対しての介入」を中心にまとめていきます。
前記事を読んでいない方は、こちらの記事を読んで頂くとBPSDの全体像が把握できると思います。
BPSDに対しての介入
Step1.背景因子を理解する
BPSDに対して介入するにあたり最初に行う事は「なぜBPSDが生じるのかの背景を理解する」事です。
BPSDの背景因子として、山口らの研究報告によると、「介入困難な背景因子」と「介入可能な背景因子」があるとされています。
アルツハイマー型認知症・行動障害型前頭側頭型認知症
レビー小体型認知症に特徴的症状である幻視
変形性膝関節症、腰痛症、呼吸不全などでADLを制限する因子が背景となる.
(例)外出したいが、自身では困難で易怒性になる。
地域の文化や、介護者の価値観によっては、認知症をオープンにする事が嫌であり、活動範囲が狭小する事で、本人の心理的面が悪化しBPSDの背景因子となる。
ドネペジルなどの認知症治療薬が興奮性や過活動性のBPSDに影響されるとされており、中止や軽減する事でBPSDが改善される事もある。
人的環境要因(介護者の人数やBPSDへの理解)
物理的環境要因(マンショや大部屋の病室は騒音などのストレスが背景要因となる)
せん妄はBPSDの悪化要因であり、せん妄に対して介入する事でBPSDが著しく改善される可能性が示唆される。
※せん妄なのか認知症状なのかは判定が必要。
認知症が引き起こす事でADL・APDLに障害が生じ、自信喪失へと繋がる。
疼痛や掻痒、残尿による尿意切迫で、易怒的や焦燥などの背景因子となる。
BPSDを理解してない事で不適切な介入を行いBPSDが悪化する。
記憶障害や見当識障害により過去と現在のつながりが失われ、また出来ない事が増える事で不安や心配事に繋がる。
引用文献:BPSDの定義、その症状と発症要因
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Step2.対象者に寄り添ったケアを行う
背景因子を整理した上で、「BPSDを患う対象者を中心に考える。」といった考え方を、医療・介護スタッフや家族、介護者が心がけケアを行う介入が大切です。
ケア・介入においては、対象者の生活や想いに寄り添う必要があるため、BPSDの背景因子(中核症状・個人因子・環境因子)を多面的に配慮した関わり方を行います。
これらに適したケアとして「パーソンセンタードケア」という概念があります。

イギリスの臨床心理士トム・キットウッドが提唱した認知症介護の理念。
「一人の人とし、個性を伸ばすだけで無く、一人の人として、周囲に受け入れられ尊重される事をより高めるケア。」
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Step3.介入ツールを使用する
パーソンセンタードケアに基づいた介入手段として、「dementia care mapping (DCM)」があります。
DCMとは、観察で得られた情報をもとに医療・介護スタッフ間で話し合い、共有し、認知症ケアの質を向上させる介入手段です。
image:パーソン・センタード・ケアと認知症ケアマッピング(DCM)
DCMの詳細はこちら↓
また、対象者の気持ちを共感的に理解して対策を探す介入手段として、「ひもときシート」があります。
image:ひもときねっと
「ひもときシート」の解説はこちら↓
これらの介入ツールを使用して医療・介護スタッフ、介護者と情報を共有し、「対象者を中心とした介入」を行っていきます。
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まとめ
・BPSDへの介入として、まずは「背景因子」を整理する。
・パーソンセンタードケアに基づき、「対象者を中心とした介入」を行う為には、医療・介護スタッフ、介護者とのチームでの関わりが大切。
・対象者の行動を「観察」、想いを「共有」し「尊重した関わり」が重要。
参考文献
本日も最後まで読んで頂き有難うございました。
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