肩関関節の構成を運動学視点から理解する。
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運動学を基に肩関節の構成をわかり易く解説します。

肩関節を理解するうえで必要な知識として、
・肩関節の構成
・肩関節の安定化の構成要素
・肩甲上腕リズム
が挙がります。

今回は、上記に挙げた3つの必要な知識を重点に解説していきます。

 

 

肩関節の関節構成

肩関節の関節構成として、
①胸鎖関節
②肩鎖関節
③肩甲上腕関節
④肩峰下関節
⑤肩甲胸郭関節
の5つの関節から成り立ちます。

①②③は骨膜関節
 ④⑤は機能関節

また肩甲帯の運動を担うのは、胸鎖関節肩鎖関節肩甲胸郭関節であり、肩甲上腕リズムを形成する為に重要とされています。

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肩関節の安定化

肩関節の安定化の構成要素として、
・肩甲骨関節窩の形態
・関節唇
・関節包
・関節上腕靭帯
・鳥口上腕靭帯
・鳥口肩峰靭帯
・回旋筋腱板
から成り立っています。

人間は、二足歩行により上肢が自由になった事で、重力による下方への脱臼の危険性が生じます。

下方への脱臼防止因子として、
・肩甲骨関節窩の上方傾斜
・鳥口上腕靭帯を含む関節包の上部の緊張
・棘上筋の活性化
が挙がります。


また、上肢を挙上し降り下ろす運動や、投球動作では前方の安定化が必要となります。

前方の安定化において重要となるのが、
・外転・外旋運動
・関節上腕靭帯を含む前下方関節包
・肩甲下筋の活動
が挙がります。

 

後方での不安定性が問題になる事は、下方・前方に比べて少ないとされています。

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肩甲上腕リズム

肩甲上腕リズムは
安定性の確保と筋力の維持といった面では安定した構成
となっています。


image:http://bestperformancegroup.com/

正常の肩甲上腕リズム

関節窩が上方を向きながら肩甲骨が下方へ移動する為、上腕骨は下方への安定性を増す事となります。

また肩甲骨が上腕骨挙上とともに回旋する為、肩甲骨から上腕へ付着する筋(主に回旋筋腱板)は著しい短縮位とはならず筋張力を維持する事が出来ます。

 

障害が生じた肩甲上腕リズム

例えば、
肩甲骨が胸郭に固定され肩甲上腕リズムが作用されない場合、挙上運動と伴い肩峰が上腕骨と衝突し挙上可動域に制限が生じる可能性があります。

また、インナーマッスル(回旋腱板)とアウターマッスル(三角筋など)が著しい筋短縮を起こしている場合は、十分な筋力を維持できなくなる可能性もあります。

 

臨床で実践できる評価

肩甲上腕リズムを評価するPointとして、"側臥位にて上肢挙上を誘導し肩甲骨の動きを観察する事"です。

○正常な場合
肩甲骨は挙上と伴い上方回旋し肩甲骨下角が側方へ移動する。
実際、肩甲骨下角は、180°挙上した際に腋窩ラインまで移動する。

 

×障害が生じた場合
肩甲骨下角が十分に側方へ移動しない場合は、肩甲骨の可動性の低下を疑う。

上肢が180°挙上する前に肩甲骨下角が腋窩ラインまで到達する場合は、肩甲上腕関節の可動域の低下を疑う。

といった視点をもって評価します。
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まとめ

以下の3ポイントを覚える事をお勧めします。

ポイント①
肩関節の関節構成は、主に骨膜関節と機能関節の2つに分けられます。
骨膜関節には、「胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲上腕関節」
機能関節には、「肩峰下関節、肩甲胸郭関節」からなっています。

ポイント②
肩関節の安定化の構成要素として、肩甲骨関節窩の形態、関節唇、関節包、関節上腕靭帯、鳥口上腕靭帯、鳥口肩峰靭帯、回旋筋腱板から構成されています。

ポイント③
肩甲上腕リズムとは、肩関節挙上させる時に、「肩甲上腕関節」と「肩甲胸郭関節」の動く角度が2:1となりながら肩甲骨が移動します。

 

 

本日も読んで頂き有難うございました。

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参考文献

肩関節痛のリハビリテーションに必要な評価法と活用法

肩関節の身体運動学と運動療法

肩甲上腕リズムの臨床応用を考える