肩関節外側に対しての疼痛
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本日は肩関節痛の記事第三弾!!

「肩関節外側に対しての疼痛」

について文献や書籍をもとに解説します。

 

 

 

肩関節の運動時の痛み①

痛みの方向

肩関節屈曲・伸展・内転運動が加わる際に肩関節外側に伸張ストレスが加わります。

屈曲運動では、上腕骨頭が関節窩に対して下方への滑りが生じ、

伸展運動では、上腕骨頭が関節窩に対して上方へ滑りが生じ、

内転運動では、上腕骨頭が関節窩に対して上方へ滑りが生じます。

肩関節外側の軟部組織の伸張性が低下している場合、肩関節外側に加わる伸張ストレスは増強します。

 

また、肩甲上腕関節が鳥口肩峰アーチをくぐり抜ける際に肩関節外側に摩擦ストレスが加わります。
摩擦ストレスが生じている場合、肩峰下関節の機能が低下しています。

 

 

関与している部位

伸張・摩擦ストレスによって疼痛が生じている場合、三角筋三角筋下滑液包が関与している可能性を疑います。

 

 

三角筋

三角筋は、肩関節の各運動において強力な回転モーメントを与える筋です。

主に腱板筋群とともに活動する事で、十分な筋力が発揮されます。

ここで重要となるのが、三角筋と棘上筋の「force couple」です。

 

force coupleとは?
force coupleは、三角筋と棘上筋で構成され両者の相互作用により、肩関節外転運動を担います。
三角筋の機能不全では、肩甲上腕関節の外転を完全に担う事が出来ますが、回転モーメントは減少します。
棘上筋の機能不全では、関節窩に対する上腕骨頭の支点形成力が弱まり、完全な外転運動が困難となります。

よって、三角筋に過剰なストレスが生じ、疼痛を引き起こす可能性があります。

 

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三角筋下滑液包

イラストでもわかるように三角筋下滑液包肩峰下滑液包密着しています。

三角筋下滑液包は、三角筋と棘上筋および上腕骨頭の間の摩擦を制限する役割を担っています。

また、三角筋下滑液包に密着している肩峰下滑液包は、三角筋下から烏口突起へと広がっています。

なんらかの原因で三角筋下滑液包や肩峰下滑液包に伸張・摩擦ストレスが加わると上腕骨頭を動かす際(三角筋や回旋腱板の収縮時)に疼痛が生じます。

 

 

疼痛の原因

三角筋、三角筋下滑液包に問題があり、機能不全が生じた場合に2つの原因が考えられます。

 

原因①「肩板筋の機能低下」

三角筋は、肩板と共同に作用する事で肩関節の運動を円滑に動かしています。

肩板筋の機能低下により、肩関節の運動時に三角筋が努力性になり代償運動が生じます。代償運動を繰り返し行う事で三角筋に筋スパズムが生じ、三角筋、三角筋下滑液包に疼痛を引き起こす原因となります。

 

原因②「肩甲胸郭関節の安定性の低下」

僧帽筋や菱形筋の筋力低下により、肩甲骨の安定性は低下します。その為、相対的に三角筋への負荷が過剰にかかります。よって三角筋に筋スパズムが生じ、三角筋、三角筋下滑液包に疼痛を引き起こす原因となります。

 

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肩関節の運動時の痛み②

痛みの方向

肩関節後外側面では、上腕骨外科頸に沿って腋窩神経が走行します。腋窩神経は外側腋窩隙を経過して上腕骨の後面に出ます。肩関節の運動時(特に挙上・内転・内旋)に肩関節後面に存在するQLS(四辺形間隙)への圧縮ストレスが生じます。

 

 

関与している部位

QLSの圧縮ストレスにより、肩関節後外側面に疼痛が生じている場合、小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭が関与している事を疑います。

 

 

QLS(四辺形間隙)

QLSは肩関節後方に位置しており、上腕骨外側頸の内側、上腕三頭筋長頭の外側縁、小円筋の下縁、大円筋の上縁で構成されています。

内転・挙上運動を行うとQLSが狭小化され腋窩神経を圧縮します。腋窩神経が圧縮される事で、上腕外側領域に知覚障害や放散痛が生じます。

 

 

疼痛の原因

QLSの狭小化により、疼痛が生じる場合、4つの原因が考えられます。

 

原因①「肩外旋筋群の機能低下」

肩関節外旋筋は、内転の運動を行う際に内転方向にブレーキをかける役割があります。その為、外旋筋には適度な負荷がかかります。外旋筋の機能低下では、筋スパズムが生じ伸張性が低下します。結果的にQLSは狭小化され疼痛を引き起こす原因となります。

 

原因②「肩伸展筋群の機能低下」

肩関節伸展筋群も外旋筋群と同様で、内転の運動を行う際に内転方向にブレーキをかける役割があります。その為、伸展筋群には適度な負荷がかかります。伸展筋の機能低下では、筋スパズムが生じ伸張性が低下します。結果的にQLSは狭小化され疼痛を引き起こす原因となります。

 

原因③「肩甲胸郭関節の安定性の低下」

菱形筋や僧帽筋などの肩甲胸郭関節の安定性を図る筋(ISTマッスル)も、肩関節伸展筋群、外旋筋群と同様で、内転の運動を行う際に肩甲骨外側にブレーキをかける役割があります。ISTマッスルの機能低下により、肩甲骨の外側方向へブレーキをかける事が困難となり、結果的にQLSは狭小化され疼痛を引き起こす原因となります。

 

原因④「大円筋・小円筋の短縮」

小円筋、大円筋が肩関節下垂で短縮します。QLS以外の原因で肩関節の運動時に疼痛が生じると、肩関節の運動が乏しくなり、肩関節は下垂位で固定され結果的に大円筋、小円筋が短縮し、QLSは狭小化され疼痛を引き起こす原因となります。

 

 

 

Point

今回は肩関節外側の痛みを理解するにあたり3つのPointにまとめました。

 

Point①力学ストレスを理解する。

肩関節外側の痛みは、大きくわけて伸張・摩擦・圧縮ストレスに区別されます。

 

Point②関与している部位を理解する。

肩関節外側の疼痛に関与している部位として、三角筋、三角筋下滑液包、QLSが関与しています。

 

 

Point③疼痛の原因を理解する。

三角筋、三角筋下滑液包が関与し、関節外側の疼痛の原因として
・肩板筋の機能低下
・肩甲胸郭関節の安定性の低下
が要因の一部となります。

QLSが関与している肩関節外側の疼痛の原因として
・肩外旋筋群の機能低下
・肩伸展筋群の機能低下
・肩甲胸郭関節の安定性の低下
・大円筋・小円筋の短縮
が要因の一部となります。

本日も最後まで読んで頂き有難うございました。

 

 

参考文献・書籍

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略
肩関節の解剖、腱板機能およびその治療
肩関節挙上運動における健常人の肩甲骨周囲筋の筋活動
肩関節外転運動における菱形筋を中心とした肩甲骨周囲筋群の筋活動特性
肩関節周辺神経障害 腋窩神経障害・胸郭出ロ症候群 (腕神経叢過敏)に対する理学療法
肩関節の機能解剖と病態把握のための基本的知識

 

 

 

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