肩関節痛の評価〜肩後方の痛みに対して〜
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本日は肩関節痛の記事第四弾!!
「肩関節後方に対しての疼痛」
について文献や書籍をもとに解説します。

 

 

 

肩関節の運動時の痛み①

痛みの方向

肩甲上腕関節に対して、屈曲・内旋・水平内転が加わる際に、肩関節後方へ伸張ストレスが生じ疼痛を引き起こします。

 

 

関与している部位

伸張ストレスによって疼痛が生じている場合、上腕三頭筋長頭後方関節包が関与している可能性を疑います。

 

 

上腕三頭筋長頭

上腕三頭筋長頭は、関節下結節に起始し、上腕骨後面を走行しています。その為、肩関節挙上では、上腕骨頭を関節窩に引き付ける作用を有しています。

 

 

上腕三頭筋長頭の疼痛誘発テスト

代表的な上腕三頭筋長頭の疼痛誘発テストに
Triceps long headテスト
があります。

 

 

後方関節包

肩関節包では、上方に棘上筋、前方に肩甲下筋、後上方に棘下筋、後下方に小円筋で覆われています。

棘下筋と小円筋は、後方関節包に付着しており、小円筋は肩関節外旋時の後方関節包の挟み込みを防止しており、また、肩関節挙上に関節包の緊張を高め上腕骨頭を支持しています。

インターナルインピンジメントとは?
インターナルインピンジメントとは、肩甲上腕関節が外転、最大外旋した際に、大結節と後上方関節窩との間で後上方関節唇と腱板関節面が衝突する現象を指す。

 

 

後方関節包の整形外科テスト

代表的な後方関節包の整形外科テストには
・後方関節包の伸張テスト
があります。

 

 

疼痛の原因

上腕三頭筋長頭、後方関節包に問題があり、機能不全が生じた場合に4つの原因が考えられます。

 

原因①「上腕三頭筋の伸張性の低下」

上腕三頭筋の伸張性が低下すると、肩・肘関節の可動域に制限が生じます。

上腕三頭筋の伸張性の低下を評価するPointとして、肩・肘関節を屈曲位にして角度を測定し左右差を比較します。

 

原因②「肩関節後方軟部組織(関節包)の拘縮」

後方軟部組織の拘縮は、上腕骨頭の前方への転がりに支障が生じます。その為、内旋運動が制限されます。

肩関節後方軟部組織の拘縮を評価するPointとして、肩甲骨面上に肩関節軽度外転位で内旋・水平内転運動を行い伸張度合を左右で比較します。拘縮している様であれば、内旋・水平内転の可動域に制限や疼痛が生じます。

 

原因③「腱板構成筋の筋力低下」

肩甲上腕関節の運動に関与する筋は、肩甲上腕関節の安定性に関与する筋と運動に関与する筋に大別出来ます。

肩甲上腕関節の安定性には、上腕骨頭を求心性で保持する役割があり、それを担うのが回旋腱板です。

肩甲上腕関節の運動に働く筋は、表層に位置し、停止部が関節から離れた筋です。(三角筋・大胸筋)停止部から離れている事で、筋収縮時に大きなトルクが生まれます。

 

原因④「肩甲胸郭関節の安定性の低下」

肩甲胸郭関節は、肩甲骨と胸郭をつないでいる筋であり「ISTマッスル」と呼ばれています。

ISTマッスルは、肩甲上腕関節の運動の基本である肩甲骨の安定性を担う役割があります。

ISTマッスルは、僧帽筋、大・小菱形筋、前鋸筋、小胸筋などがあります。

肩甲胸郭関節の安定性の低下を評価するPointとして、1st外旋運動を行います。肩甲胸郭関節が不安定であれば肩甲骨が固定出来ず翼状肩甲が生じます。

 

 

 

肩関節の運動時の痛み②

痛みの方向

肩甲上腕関節に対して、伸展・内旋・内転が加わる際に、肩関節後方へ摩擦ストレスが生じ疼痛を引き起こします。

 

 

関与している部位

摩擦ストレスによって疼痛が生じている場合、広背筋が関与している可能性を疑います。

 

 

広背筋

広背筋の最上方繊維は、肩甲骨下面で急激に走行が変化し、上肢の挙上では更に著明に変化します。その為、機能的ストレスが生じやすくなります。

 

 

広背筋の伸張テスト

 

 

疼痛の原因

広背筋に問題があり、機能不全が生じた場合に4つの原因が考えられます。

 

原因①「広背筋の筋力低下」

広背筋の筋力低下により伸張性が失われ、肩関節外転、内転、肩甲骨外転運動で過度な力学ストレスが生じます。

 

原因②「腱板構成筋の筋力低下」

 

原因③「肩甲胸郭関節の安定性の低下」

 

原因④「体幹の安定性の低下」

脊柱起立筋や多裂筋の筋力が低下すると体幹の安定性が低下し、代償的に体幹後面の表層にある広背筋の活動が高くなります。

体幹の安定性には、インナーマッスルである腹横筋や多裂筋が強く関与しています。インナーマッスルの低下により、アウターマッスルである広背筋に負荷が生じて疼痛を引き起こします。

 

 

 

Point

今回は肩関節後方の痛みを理解するにあたりPointを3つにまとめました。

 

・Point①
力学ストレスを理解する。
肩関節後方の痛みは、大きくわけて伸張・摩擦ストレスに区別されます。

 

・Point②
関与している部位を理解する。
肩関節後方の疼痛に関与している部位として、上腕三頭筋長頭、後方関節包、広背筋が関与しています。

 

・Point③
疼痛の原因を理解する。
上腕三頭筋長頭、後方関節包が関与している肩関節後方の疼痛の原因として
・上腕三頭筋の伸張性の低下
・肩関節後方軟部組織(関節包)の拘縮
・腱板構成筋の筋力低下
・肩甲胸郭関節の安定性の低下
が要因の一部となります。

 

広背筋が関与している肩関節後方の疼痛の原因として
・広背筋の筋力低下
・腱板構成筋の筋力低下
・肩甲胸郭関節の安定性の低下
・体幹の安定性の低下
が要因の一部となります。

 

 

 

参考文献・書籍

運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略
肩関節痛・頚部痛のリハビリテーション
肩関節の解剖、腱板機能およびその治療
バイオメカニックスに基づいた肩関節障害の評価と治療
投球障害肩・肘におけるリハビリテーションの実際

 

 

 

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