カナダ作業遂行測定(COPM)の使用方法〜CL中心の作業療法を理解する〜
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ウェブページを閲覧して頂き有難うございます。

 

管理人のYudai@yudai6363です。

 

今回の内容は、COPMの使用方法について解説していきます。

 

クライエント(以下:CL)の大切な作業を見つける際に、「障害があるから、運動麻痺が重度だから」といって、セラピスト(以下:Thr)はその作業を無理だと決めつけていませんか? 

 

大切な作業を行うにあたり、障害や疾患はほとんど関係ありません。

 

CLは大切な作業を行いたいと思う気持ちがあれば何でも出来る」と私は思います。

 

CLの気持ちをThrが聞き出し、一緒になって達成する事がThrの役割だと思います。

 

まず、COPMを実践する前に、「人−環境−作業モデル」を理解する事が重要です。

 

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人−環境−作業モデル

Mary Lawは、人−環境−作業モデルの中で、「人と環境と作業を3つの円で示しており、作業遂行とは3つの円が重なり合う部分」つまり人、環境、作業の相互交流の結果であるとされています。

 

また、円が重なる範囲が大きいほど作業遂行は円滑な状態とされています。

 

作業を遂行するという事は、人、環境、作業の3点が必ず関与します。

 

 

この文章だけでは、理解でき難いと思うので、例を挙げて解説します。

 

例えばCLの大切な作業を「食事」だったとします。

 

一概に食事といっても、「CLが、どこで、だれと、何を食べるのか?」によって、介入する内容はそれぞれ異なります。

・病前にしていた食事は、どの様な作業遂行であったのか?

 

・障害をもった今、CLが思った通りに食事が出来ているか?

 

・今の食事に満足しているか?

 

これを最もよく知っているのが、Thrでは無くCL本人なのです。

 

Thrは、作業1つにしてもここの所まで追求し介入する事で、作業療法の基本理念である「人は作業を通して健康や幸福になれる。」といった事に繋がると思います。

 

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COPMとは

カナダ作業遂行測定(以下:COPM)とは、CLが生活する中で作業遂行に対する認識の変化を調べる事を目的とした個別的尺度です。

 

おおまかに言うと、CLが大切にしている作業を聴取し、その作業に対してCLの遂行度と満足度をみる評価尺度です。

 

COPMのメリット

CLからみたメリット

・CLが大切にしている作業を見つける事が出来る。

・CLが自分自身を見つめ、自分の問題点に取り組める。

・CLが主体となった作業療法を行う事が出来る。

などが挙がります。

 

Thrからみたメリット

・CLの意思や想いを知る事が出来る。

・CL自身が捉える作業の問題点把握が出来る。

・何の為に行なっている介入なのかが明確になる。

などがあり、双方にメリットを生み出す事が出来ます。

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COPMの実践方法

実践するにあたり、COPMは4段階に分ける事が出来ます。

段階1:「大切な作業の探索」

段階2:「優先順位の決定」

段階3:「介入前の遂行度と満足度の評価」

段階4:「介入後の遂行度と満足度の再評価」

では順に解説します。

 

 

大切な作業の探索

COPMを行うにあたり、最初に行う事は「大切な作業の探索」です。

 

CLが「したい」「する必要がある」「する事を他者から期待されている」作業を聴取(インタビュー)します。この時点では、挙げられた作業に制限は無く出来るだけ多く挙げてもらいます。

 

また、挙げられた作業について、「なぜその作業なのか?」といった理由やエピソードも聴取した方がより具体性が生まれます。

 

CLから大切な作業を聴取する際、「CLからの作業についてメッセージを最大限に受け取れる様に工夫する」事がPointです。

 

会話とは:メッセージを最大限に受け取るとは、態度や表情からもメッセージを発しています。話しやすい環境や、CLとThrの関係性も重要となります。

 

 

優先順位の決定

段階1で、CLの大切な作業を知る事が出来たなら、続いて挙がった作業の「優先順位の決定」を行います。

 

1〜10までの数字が書いてある重要度カードを取り出し、CLが挙げた作業1つひとつに、「どれほど重要な作業なのか?」を聞き出し、その中で重要度の高かった5つの作業(CLにとって意味のある作業)を選定します。

 

 

介入前の遂行度と満足度の評価

CLにとって、意味のある作業が決まったら続いて「遂行度と満足度の評定」を行います。

 

その際に、遂行度カード、満足度カードを取り出し、それぞれの作業についてCLがどう思っているかを聞き出します。

 

CLの遂行度、満足度についての回答数を作業の数で除したものをそれぞれ平均遂行度、平均満足度として記録します。

 

 

・遂行度カード:
「思った通りに上手く出来ているのか?」を10点満点で評価する。

 

・満足度カード:
「今のやり方で満足しているのか?」を10点満点で評価する。

 

 

介入後の遂行度と満足度の再評価

作業療法の介入期間で、CLにとって意味のある作業を実践した後に、「再度遂行度と満足度を評定」します。

 

その際に、初期で聴取した遂行度と満足度を見せた方がスムーズに会話を持って行きやすいです。

 

再評価により前評価時の得点からの変化を知り、2点以上の変化があれば介入の意味があるとされています。

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最後に

近年のリハビリテーションの世界的な流れとして、トップダウンアプローチの重要性が叫ばれています。

 

OTにおけるトップダウンアプローチとはCLの「意味ある作業」をOTとCLが共有し、作業に焦点を当てた実践を通して「健康や幸福を促進する協同的な実践」を指します。

 

作業に焦点を当てた実践を行うツールとしてCOPMを用いる事で、CLの参加を積極的に促し、より効果をもたらすリハビリテーションを提供出来ると思います。

 

 

本日も最後まで、読んで頂き有難うございました。

 

 

参考文献・書籍

作業療法がわかるCOPM・AMPSスターディングガイド

COPMの活用で、当事者主体の作業療法を

カナダ作業遂行測定(COPM)の使用経験