
ブログを運営しています、Yudai(@yudai6363)です。
今回の内容として、
CMOP-Eを理解する為に、内容を掘り下げて解説していきます。
CMOP(カナダ作業遂行モデル)は、1997年に提唱された、「人と作業と環境」の関係を示したモデルです。
2007年には、CMOPからCMOP−E(作業遂行と結びつきのカナダモデル)に改定され、「人は環境の中に存在しており、作業を行う事で環境と交流する」と考えられています。
CMOPとは
CMOPは、1997年にカナダのOTらによって作られた「人と作業と環境を示したモデル」です。
イラストから見て分かる様に、CMOPは、人は環境の中に存在しており、「作業を行う事で環境と関わっている」と考えられています。
・スピチュアリティ(価値観)
・作業
・環境
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人
人は、「身体面」「認知面」「情動面」の3側の面に分けられます。
・身体面:動く事。
・認知面:考える事。
・情動面:感じる事。
この3つの側面を総括し「人が良いと思う状態」とは、
身体が思った通りに動き、考え通りに物事が運び、楽しい・嬉しいと思う状態です。
逆に、「人が悪いと思う状態」とは、
身体が思った通りに動けず、考えがまとまらず、悲しい・苦しいと思う状態です。
スピリチュアリティ(価値観)
人の中央で「核」となっているのが、スピリチュアリティ(価値観)です。
スピリチュアリティとは、「その人の個性の素」として位置づけられています。
実際には、見たりする事は出来ませんが、その人の風貌、行い、作り出す作品などによって感じ取る事ができます。
例えば:
・自分は何に対して楽しいと思うのか?
・自分は将来的にどうなりたいのか?
・自分はどの様な生き方をしたいのか?
と言う様に人はそれぞれ違った価値観を持っています。
つまり、スピリチュアリティとは、"人がどの様に考え、感じ、行動するのかを反映する"ものであり、作業のやり方にも影響を与えます。
作業
作業とは、日々行われている活動や課題であり、個人の価値観や文化により形成されています。
作業は「セルフケア」「生産活動」「レジャー」の3領域に分ける事が出来ます。
・セルフケア:
自分の事を自分でする作業。
生きる為に必要な身の回りの作業。
・生産活動:
社会的、経済的に貢献する作業。
経済的維持を目的とした作業。
その他に、家事や学業などが含まれます。
・レジャー:
心身ともに楽しむ作業。
ゲームやスポーツなどの趣味が含まれます。
人は、この"3つの領域がバランス良く保たれている時に良い状態"とされます。
例えば:
仕事ばっかりしていると、生活にストレスを生じやすくなり、逆に遊んでばっかりだと生活が虚しくなる。といった様に偏り過ぎても良くないと事が伺えます。
環境
環境とは、様々な側面をもっており、
「文化的」「社会的」「物理的」「制度的」の4つに分ける事が出来ます。
・文化的環境:
人は個で生きていけないので、何らかの集団に所属しています。
国や地域などで、普通だと感じる事柄がある事を文化的環境と言います。
例えば:
日本人は箸で食事を摂る。上司や先輩に敬語で接する。などが挙がります。
・社会的環境:
家族や友人、会社の同僚などの人的環境を指しています。
・物理的環境:
地形や気候、家や職場などの建物などが挙がります。
例えば:
自宅と病院では、物理的環境が大きく関与しており、自宅はバリアフルに対して病院はバリアフリーが普及しています。
・制度的環境:
人が作った決まり事であり、国の法律や規則などが挙がります。
環境は、作業に大きな影響を与えており、「人がどの様に作業をするのか?」を知る為には、環境を知る必要があります。
例えば:
「移動」を例に挙げてみると、、、
移動する際に、だれと、どこに行くのか(環境)を知らなければ、移動形態は歩きか、自動車か、公共交通機関を使うのか(作業)を考える事が出来ません。
CMOP−Eとは
CMOP−Eは、2007年にCMOPから改定されたモデルになります。
環境には作業が入り込んでおり、作業には人が入り込んでいます。
また環境自体にも僅かながら人が入り込んでいます。
つまり、OTが注目するべき箇所は、「作業」に関する部分であり、"作業を通して人と環境を結びつける事を重視"しています。
この事を理解すると、
「人・作業・環境を結びつける」為には、「OTは人への介入(機能練習など)を行い、また環境(環境調整)への介入」も行っていくとされます。
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まとめ
CMOP-Eは、人・作業・環境の相互作用を意味しており、作業を通して人と環境を結びつける事を重視しているモデルです。
基本概念として、①人、②スピリチュアリティ、③作業、④環境から構成されています。
最後まで読んで頂き有難うございました。
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参考文献・書籍
カナダ作業遂行モデル(CMOP)−作業遂行プロセスモデルを用いた実践−
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