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管理人のYudai(@yudai6363)です。
現在の記事では、「脳画像が苦手なThrでも理解出来る様にシリーズ化」にしてまとめています。
今回の内容として、
について解説していきます。
目次
錐体路とは
ざっくり説明すると、錐体路とは、「運動命令を随意的に骨格筋まで伝える神経」です。
錐体路は、中心前回から、内包、中脳、橋、延髄、そして骨格筋まで通る下行性神経路です。
▶︎錐体路の走行
錐体路は、
①中心前回から始まり、
②放線冠
③内包後脚
④中脳大脳脚
⑤橋底部
⑥延髄錐体と続きます。
脳画像で、錐体路をしっかりと特定できるのが、中心前回、内包後脚、中脳大脳脚、延髄錐体の4箇所となっています。(放線冠、橋底部に関しても大まかには分かる。)
中脳大脳脚の見つけ方
▶︎「ミッキーマウスの形」を見つける
中脳大脳脚は「中脳レベル」のスライスで確認します。
見つけ方としてまずは、「ミッキーマウス」の形を見つけます。
中脳大脳脚は、ミッキーマウスの「耳の外側部」になります。
MRI画像では、中脳大脳脚の内部の錐体路を確認出来ます。
→ミッキーマウス=中脳部分
・ミッキーマウスの耳の外側が「中脳大脳脚」であり、そこに錐体路が通る。
▶︎より具体的に
・中脳大脳脚:
中脳大脳脚には、「錐体路」が通ります。
体部位局在の配列は、内側から「顔面→上肢→体幹→下肢」の配列になります。
・黒質:
耳の付け根にある部分で「パーキンソン病」に関与します。
・内側膝状体:
黒質の外側にある部分で「聴神経」の中継核です。
・赤核:
黒質の内側後方にある部分で「運動学習」や「運動制御」に関与します。
・内側毛帯:
赤核の後方にある部分で「位置覚」や「運動覚」に関与します。
・網様帯:
内側毛帯の後方にある部分で「意識」や「覚醒」に関与します。
・動眼神経核:
中脳の後方中央にある部分で「眼球運動」に関与します。
・脊髄視床路:
動眼神経核の外側にある部分で「温痛覚」や「触覚」「圧覚」に関与します。
中脳大脳脚から予後予測する
中脳大脳脚の確認は"運動麻痺を評価する上で極めて重要"です。
なぜ、重要かというと「錐体路の萎縮」を確認するのに中脳大脳脚で最も評価しやすいからです。
▶︎Waller変性
神経繊維が損傷すると、軸索に連続性を失います。
Waller変性とは、損傷部よりも抹消部の軸索及び髄鞘が変性する事を指します。
錐体路では、錐体路に障害を与える病巣のその遠位部以降に変性が生じます。
つまり、錐体路のいずれかが損傷がすると損傷部以降が変性し錐体路が萎縮するという事になります。
image:セラピストプラス+より一部編集
▶︎中脳大脳脚とWaller変性
中心前回や放線冠、内包で病変が生じた場合に「中脳大脳脚など」に異常を来します。(Waller変性)
また、錐体路の萎縮を目視で評価出来る場所が「中脳大脳脚」となります。
Waller変性を見る為には、MRI画像のT2強調画像系で確認します。
見るポイントとして、両側の中脳大脳脚を見ます。(ミッキーマウスの耳に部分)
この画像では、"左中脳大脳脚(画像からみて右)が若干白くなっています。"
これが、Waller変性を疑う所見となります。
→中脳大脳脚のコントラストが白く変化する。(T2強調画像系:高信号)
▶︎予後予測
テント上(大脳)の脳病変で発症から6ヵ月以内に錐体路にWaller変性を認めた場合に「Barthel Index」の予後は不良であるとの報告があります。
引用)テント上脳血管障害後のWaller変性と機能予後
また、中脳大脳脚のFA値の左右差(急性期)が退院時のFIMと相関するとの報告もあります。
引用)Utility of Fractional Anisotropy in Cerebral Peduncle for Stroke Outcome Prediction
まとめ
脳画像で、錐体路をしっかりと特定できるのが、中心前回、内包後脚、中脳大脳脚、延髄錐体の4箇所であり、今回は「中脳大脳脚」について解説した。
・中脳大脳脚の見つけ方として、
中脳は「ミッキーマウス」の形をしている。
→ミッキーマウスの耳の部分が「中脳大脳脚」となる。
・中脳大脳脚の確認は運動麻痺を評価する上で極めて重要。
→「Waller変性」では中脳大脳脚のコントラストが白く変化する。
→Waller変性を認めた場合、予後に関与する。
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