Gerstmann症候群を理解する。〜4大徴候の症状・評価方法〜
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ブログを運営しています、Yudai@yudai6363です。

今回は、優位半球損傷によって生じる「Gerstmann症候群」について解説していきます。

 

この記事を読む事により、
・Gerstmann症候群の4徴候の症状・評価方法が理解出来ます。

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Gerstmann症候群

Gerstmann症候群は、手指失認、左右失認、失算、失書の4徴候から成ります。

手指失認では、指定された名称に対して指を正しく選び出す事の障害や、指の呼称障害が中心です。

左右失認では、左右の理解が障害され、「右手で左の肩を触る」といった動作が困難になります。

失算では、演算自体の障害、数字の保持の障害などが障害されます。

失書では、文字の想起の障害や、文字の形態の崩れなどが生じます。

 

今回、この4徴候について詳しく述べます。

 

 

 

手指失認

症状

手指失認とは、対象者自身の身体や他者の身体の手指について、

・他者が呼称した指を正しく示す事が出来ない。

→Thr:「あなたの中指はどこですか?」
    対象者:薬指を指す。

 

・他者の示す指を呼称出来ない。

→Thr:「これは何指ですか?(中指を指す)」
 対象者:「人差し指」

といった症状が見られます。

 

 

評価

手指失認は①言語性②非言語性での評価で行います。

 

①言語性の評価

・指を呼称する。

対象者の両手を机の上に置き手掌を机上につけます。Thrは対象者の指を1つずつ指しつつ、「これは何指ですか?」と指の名前を伺います。この形式で全ての指に対して行います。

次に、Thrの全ての指に対して同じ様に名前を問います。

 

・指を指示する。

Thrが対象者に対して、「親指はどこですか?」と問います。そこで対象者が正しい指を指せるかの確認をします。この評価を対象者の全ての手、Thrの全ての手に対して行います。

 

 

②非言語性の評価

・指と指の間の数を問う。

対象者は閉眼し、対象者の2本の指を触れて、その2本の指の間に何本の指があるかを問います。

 

 

責任病巣

手指失認の責任病巣では、優位半球頭頂葉や側頭葉領域となります。

 

 

 

左右失認

症状

左右失認とは、自己の身体や他者の身体の左右判断に自信が無くなる状態を指します。

例えば、Thrが「右手で紙をとって下さい」と指示した際に、左手で紙をとる。

Thrが「私の右手を握って下さい」と指示した際に、Thrの左手を握る。

といった症状が見られます。

一般的に手指失認では、自己身体では正しく答える事が可能とされ、他者身体では誤る事が多いとされています。

 

 

評価

 左右失認は①言語性②非言語性での評価で行います。

①言語性の評価

言語性の評価では、Thrが対象者に対して、「左手を挙げて下さい。」「左手で右の耳を掴んで下さい。」など左右の判断が必要となる指示を行い左右の認識を調べます。

 

②非言語性の評価

非言語性の評価では、Thrは対象者と対座して、Thrは自ら身体の一部を触ります。そして対象者にThr自身の同じ部位を対象者の身体に触る様に指示します。例えば、Thrが自分の右目を触り、対象者にも同じ動作をする様に指示すます。

 

 

責任病巣

 左右失認の責任病巣では、優位半球頭頂葉や側頭葉、後頭葉領域となります。

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失算

症状

失算とは、計算障害の事で、100−7といった単純な減算が誤る状態を指します。

また、加減乗除のうちでは、特に乗除算の障害がより強いとされています。失算は認知症の障害に伴い時間の見当識障害を呈する場合もあります。

その他にも、数字の読み書きにも障害されます。

※加減乗除:加(足し算)減(引き算)乗(掛け算)除(割り算)

 

 

評価

失算の評価では、小学校で学習する程度の簡単な四則演算を筆算で行います。

暗算では、遂行機能や作業記憶、注意障害などが必要な要素となり、単純な計算能力が評価出来ません。

また計算の評価をする際は、数字の概念、記号の確認、数字の読み、書字に障害が無いか確認する必要があります。

 

 

責任病巣

失算の責任病巣では、優位半球頭頂葉の頭頂間溝付近が領域となります。

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失書

症状

失書とは、書字障害の事で失語のない純粋失書である為、読みは良好です。文字の想起困難や音韻性錯誤がみられ、類似した文字の誤りが生じます。

 

 

評価

失書の評価では、小学校で学習する程度の単語や文章を正しく書けるかを確認します。

実際に、単語、文章、漢字、平仮名、カタカナを区別して書けるのかを評価します。

 

 

責任病巣

 失書の責任病巣では、優位半球側頭葉、頭頂葉が領域となります。

 

 

 

Gerstmann症候群と不全型Gerstmann症候群

手指失認、左右失認、失算、失書の4徴候が全て揃う症状を「Gerstmann症候群」といいます。

また、左右失認を認めないなどの症状は「不全型Gerstmann症候群」といいます。

実際に多く出現する症状は、「手指失認・失書」と言われています。

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