COPDに対するリハビリテーション〜リラクゼーション編〜
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本日もブログに訪れて頂き有難うございます。

ブログを運営している作業療法士のYudai@yudai6363)です。

今回は、COPDに対してのリラクゼーションについて解説していきます。

 

この記事を読む事により、
COPMを患っている対象者の「ポジショニング」「ストレッチ」の仕方が理解出来ます。
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呼吸障害とは

呼吸障害とは、「肺呼吸での酸素の取り組みの障害や、毛細血管の拡張による肺血流の増加制限、二酸化炭素の肺の輸送と体外への呼出の障害」などを意味しています。

この呼吸障害が生じる事によって、身体が要求する酸素重要に対応出来ない、十分な酸素を活動筋に送り届けられない、といった事で身体活動に制限が生じます。

その為、呼吸疾患を患うと、ADLの低下やQOLの低下が生じます。

 

呼吸障害が生じる原因として、慢性閉塞性肺疾患(COPD)脳幹の呼吸中枢が障害された事によって生じる「呼吸困難、酸素化障害」など多数の原因があります。

 

その中でもCOPDにおけるリハビリテーションは効果大きいとされています。

 

 

 

COPDとは

COPDとは、慢性気管支炎肺気腫と呼ばれてきた病気の名称です。

COPDの原因は禁煙であり、禁煙者の20%がCOPDを発症します。

タバコの煙を吸う事で、肺の中の気管支に炎症が生じ気管支が細くなる事によって、空気の流れが悪くなる事や、肺胞が破壊され酸素の取り組みや二酸化炭素の排出する機能が低下する事により運動時の息切れや咳や痰が症状として出現します。

またCOPDが悪化すると、体力が著しく低下し、寝たきりになり最終的には死亡します。

※COPDは死亡原因の9位となっています。

 

 

 

COPDに対するリハビリテーション

COPDに対してのリハビリテーションには、

・リラクゼーション

・呼吸筋トレーニング

・呼吸練習

などがあります。

その中で、今回リラクゼーションについて解説します。

 

 

 

リラクゼーション

COPDでの呼吸は、呼吸補助筋群の活動性亢進を伴う努力性呼吸となっている事が多く、不必要に酸素を消費します。

リラクゼーションを行う事により、呼吸補助筋群の亢進を抑制する目的があります。

リラクゼーションで用いるアプローチとして、ポジショニング呼吸補助筋群のストレッチがあります。

リラクゼーションとは?
リラクゼーションとは、「ゆるみ」「くつろぎ」などの意味があり、様々なストレスによって生じた心身の筋緊張状態を調節して、リラックスした状態にする事を指します。

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ポジショニング

COPMの主なポジショニングには、

・体位ドレナージ

・セミファーラ肢位

が代表的です。

 

体位ドレナージ

体位ドレナージとは、重力を利用した体位で痰の排出を図る方法です。

具体的に、痰が溜まっている場所を確定したら、そこの部位を上にし、重力を利用しながら痰を抹消気道から中枢気道へと移動させ痰を排出させます。

適切な体位として、少なくとも60°程度の側臥位を取ります。

※軽度側臥位(20〜30°)では、痰はほとんど中枢気道へ移動せず、効果的な痰の排出は期待できません。

Image:1)

 

セミラーファ肢位

COPDが悪化し、長期臥床している対象者は抗重力位を取る事が少なく、脊柱や腹部の深層筋などの姿勢保持筋の筋力低下が生じやすくなります。

また、吸気位で胸郭が挙上し、骨盤は両下肢の重みで前傾位となり、腹部の筋力低下によって脊柱全体が伸展する事で腰部がベッドから浮き上がってきます。

そして、結果的に吸気、呼気ともに制限され、呼吸困難感が増強します。

 

この様な場合には、「セミファーラ肢位」を取る事で、背部の筋の緊張を軽減させ、呼吸困難を軽減させる事ができます。

一馬の報告では、セミファーラ肢位は、短座位と比較し呼吸数が軽減し、副交感神経が優位になる、2)とされています。

セミファーラ肢位とは、ベッドを30°ギャッチアップさせ、膝を軽度屈曲させた肢位です。

 

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呼吸補助筋群のストレッチ

呼吸困難によって浅く速い呼吸が長時間持続すると、脊柱や胸郭に付着する呼吸補助筋群の筋緊張が亢進します。

その様な場合に、呼吸補助筋群のストレッチを行う事で筋緊張の緩和を図ります。

 

支持基底面を広げる

ポジショニングのみでは、十分に背部筋のリラクスが図れない場合は、胸部や腰部を広くベッドに接触する事で、過剰な緊張を取り除く事が可能な場合があります。

アプローチとして、胸郭を両手で包み込み背面とベッドが密着する程度に軽く押し左右へ揺らす事により、脊柱の緊張が減少する3)、とされています。


Image:3)

 

 

筋硬結へのアプローチ

呼吸困難となり、長期ベッド臥床になると、脊柱起立筋、菱形筋、肩甲挙筋、腰方形筋が筋硬結しやすい部位となります。

その中でも、腰方形筋へのアプローチが重要です。

腰方形筋に筋硬結が生じると、下部肋骨の可動性を低下させやすくなります。

田平の報告でも、下部肋骨の第10肋骨の可動性は呼吸困難感に関与している、4)とされています。

 

アプローチ方法としては、対象者を臥位にして、ベッドの間に手を入れ手指で筋硬結部位を触診します。そこで筋硬結部位に対して、対象者の体重を利用しながら筋へ圧迫を加えます。

 

 

 

まとめ

今回、COPDに対するリラクゼーションについて解説しました。

COPDでの呼吸は、呼吸補助筋群の活動性亢進を伴う努力性呼吸となっている事が多く、不必要に酸素を消費します。

リラクゼーションを行う事により、呼吸補助筋群の亢進を抑制する目的があります。

ここでいう、リラクゼーションとは、ポジショニングと呼吸補助筋群への介入を指します。

 

ポジショニングでは、体位ドレナージセミファーラ肢位が効果的とされています。

体位ドレナージとは、重力を利用した体位で痰の排出を図る方法であり、セミファーラ肢位とは、背部の筋の緊張を軽減させ、呼吸困難を軽減させる肢位です。

 

また、呼吸補助筋群への介入では、支持面を広げる方法筋硬結に対するアプローチがあります。

 

 

本日も最後まで読んで頂き有難うございました。

 

 

参考文献

1):金田瑠美, 津田徹:COPDに肺炎をきたした超高齢者のリハビリテーション.JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION 24(6): 581-586, 2015.
2):一場友実:リラクセーション肢位の違いが呼吸運動出力及び自律神経機能に与える影響.理学療法科学 25(5): 657-662, 2010.
3):春藤健支:呼吸障害による活動性が低下した患者に対するアプローチ.リハビリナース 3(5): 511-513, 2010.
4):田平一行:慢性呼吸不全患者における胸郭拡張差が肺機能および呼吸困難感に及ぼす影響.理学療法学 25(6): 376-380, 1998.

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