視床を理解する。〜Understanding the thalamus〜
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今回の記事では、

視床核の機能を中心にまとめていきます。

 

視床は体性感覚だけでは無く、大脳に投射するほとんどの情報を中継しており、3つの機能に分けれます。

 

視床の機能

①嗅覚を除く感覚情報の処理。

②運動の中継核。

③高次脳機能への関与。

解剖学

視床は間脳のおよそ4/5を占める神経核の複合体であり、第3脳室にまたがった親指ほどの大きさで左右対称な構造体になっています。

 

視床は主に、3つの核群に分類できます。

 

3つの視床核群

・特殊核

・連合核

・非特殊核

 

 

特殊核

特殊核とは、感覚野や運動野といった特定部位へ投射する核になります。

 

 

▶︎前腹側核(VA核)

大脳基底核の黒質網様部や淡蒼球から投射を受け、運動前野と補足運動野へ投射し、運動のプログラミングに関与します。

 

障害されると、麻痺が無いにも関わらず運動が開始出来ない、といった事が生じます。

 

 

 

▶︎外側腹側核(VL核)

大脳基底核の淡蒼球や小脳の小脳核から投射を受け、一次運動野に投射し、筋緊張に関与します。

 

障害されると、不随運動や運動失調などが生じます。

 

 

 

▶︎後外側腹側核(VLP核)

内側網様体や外側脊髄視床路から投射を受け、一次体性感覚野の四肢、体幹に投射し、四肢、体幹の体性感覚に関与します。

 

障害されると、四肢、体幹の表在、深部感覚の障害が生じます。

 

 

 

▶︎後内側腹側核(VPM核)

三叉神経から投射を受け、一次体性感覚野の顔面領域と味覚に投射し、顔面の体性感覚と味覚に関与します。

 

障害されると、顔面の触圧覚、温痛覚、舌の感覚の障害が生じます。

 

 

後外側腹側核と後内側腹側核は、体性感覚の中継核となっており、これらが障害されると「視床痛」が生じるとの説があります。

 

視床痛
中野らの報告によると、視床痛は局限性で生じる事が多く、後外側腹側核後内側腹側核が限局性に障害されると、視床の残存部位の機能が亢進し体性感覚野に対して興奮性に投射する為、視床痛が発現するとされている。
引用:中野隆.視床の機能解剖(1).理学療法 23:628-633,2006

 

 

▶︎外側膝状体(LGB核)

視覚の中継核であり、網膜に由来する視索線維や上丘、脳幹網様体から入力を受け、視覚野に投射し、視覚機能に関与します。

 

障害されると、視覚の低下が生じます。

 

 

 

▶︎内側膝状体(MGB核)

聴覚の中継核であり、下丘から入力を受け、聴覚野に投射し、聴覚機能に関与します。

 

障害されると、聴覚の低下が生じます。

 

 

 

 

 

連合核

皮質連合野へ投射する連合核です。

 

 

 

▶︎前核(A核)

乳頭体や海馬から入力を受け、帯状回の皮質と結合し、大脳辺縁系に投射します。

 

また、海馬からの入力を受ける為、記憶に関与するパペッツ回路を形成します。

 

障害されると、記憶の低下(短期、長期、エピソード)が生じます。

 

 

 

▶︎背内側核(DM核)

前頭前野や扁桃体、前脳基底部、脳幹、小脳などから入力を受け、大脳皮質全般に投射します。

 

また、扁桃体からの入力を受ける為、感情記憶に関与するヤコブレフ回路を形成します。

 

障害されると、感情記憶の低下が生じます。

 

 

 

▶︎後外側核(LP核)

一次、二次視覚野を含む視覚関連皮質などから入力を受け、頭頂連合野に投射し、ボディーイメージや空間における姿勢定位に関与します。

 

障害されると、ボディーイメージや空間認知系の障害が生じます。

 

 

 

▶︎視床枕核(P核)

一次、二次視覚野や上丘、小脳などから入力を受け、視覚皮質や側頭連合野、頭頂連合野へ投射し、視覚、聴覚、体性感覚に関与します。

 

障害されると、空間に対しての注意が向かず、半側空間無視が生じます。

 

 

 

 

非特殊核

皮質全体に広く投射し、内側髄板の中にある核です。

 

 

 

▶︎中心正中核(CM核)

上行賦活系に関与しており、脳幹網様体などから投射を受け、広範な大脳皮質や大脳基底核などへ投射し、覚醒を高める事に関与します。

 

障害されると、意識障害が生じます。

 

 

 

 

まとめ

視床は主に3つの核群に分類される。

 

①特殊核

→特殊核とは、特定部位へ投射する核。

 

主に関係の深い核は、

・前腹側核

・外側腹側核

・後外側腹側核

・後内側腹側核

・外側膝状体

・内側膝状体

などが属する腹側核。

 

②連合核

→皮質連合野へ投射する連合核。

 

主に関係の深い核は、

・前核

・背内側核

・後外側核

・視床枕核

などが属する核。

 

③非特殊核

→皮質全体に広く投射し、内側髄板の中にある核。

主に関係の深い核は、中心正中核となる。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献
・嘉戸直樹.視床の機能とその臨床応用.関西理学6:47-49.2006
・日本ENRAC医学会誌.第2号.2015.3.25. 小泉正弘.基底核と視床について
・中野隆.視床の機能解剖(1).理学療法 23:628-633,2006

 

 

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