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管理人のYudai(@yudai6363)です。
肩甲上腕関節は、肩関節の運動の支点となったり、肩関節の安定を高める上で重要となる関節です。
※もちろん他の関節も重要です!!
今回の記事の内容では、
肩関節の肩甲上腕関節に焦点を当てて
まとめていきます。
肩関節
肩関節の運動には、解剖学的関節と機能学的関節が複雑に絡む事で成り立っています。
解剖学的関節では、
・肩甲上腕関節
・肩鎖関節
・胸鎖関節
の3つの関節で構成されています。
機能学的関節では、
・肩甲胸郭関節
・肩峰下関節
の2つの関節で構成されています。
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肩甲上腕関節
肩甲上腕関節は、肩甲骨の臼蓋と上腕骨頭により構成される関節であり、上腕骨頭の面責に比べ臼蓋の面責は非常に小さい構造となっています。
その為、可動性という面では有利ですが、安定性という面では不利です。
また肩甲上腕関節の安定性を高める為には、回旋筋腱板を中心とした軟部組織の働きが重要となります。
安定化機構
肩甲上腕関節の安定機構には、
動的安定化機構と静的安定化機構
に分類する事ができます。
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1)動的安定化機構
動的安定化機構とは、"筋の収縮によって獲得される安定化機構"です。
役割を果たす代表的な筋は、
・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋
の4つの筋となります。
棘上筋は大結節上面に、棘下筋は大結節後面に、小円筋は大結節後下面に、肩甲下筋は小結節に停止します。
この4つの筋は、肩甲骨から骨頭に向かい"四方より鷲掴み"する形で骨頭を安定させています。
例えば、
上肢が外転外旋する時には、肩甲下筋が前下方より骨頭を支持し、水平内転する時には、小円筋、棘下筋が後方より骨頭を支持します。
つまり、この4つの筋は肩関節の各運動に対して何らかの形で骨頭と臼蓋を引きつける事に関与しています。
2)静的安定化機構
静的安定化機構とは、"関節唇、関節包、靭帯で構成"される安定化機構です。
関節唇
臼蓋の周辺を取り囲むように存在する繊維軟骨であり、臼蓋と骨頭との接触面を広げ肩関節の安定性を高める働きをしています。
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関節包・靭帯
関節包は肩甲上腕関節を包んでおり、前方より後方の方が発達しています。
また前方には靭帯が存在しています。
肩関節包の上方、前方を走行する鳥口上腕靭帯と上関節上腕靭帯が位置し、肩関節包の前方、下方を走行する中関節上腕靭帯、下関節上腕靭帯が位置しています。
また、関節包、靭帯がもつ弾力性と関節内圧が陰圧である事によって、肩甲上腕関節の安定性を高めています。
関節包のある部分が伸長された場合に、元の位置に戻ろうとする力の事。
弾力性が強くなりすぎると、柔軟性が乏しくなり関節拘縮が生じる。
逆に、弾力性が弱くなりすぎると、弛緩状態となり関節不安症が生じる。
ヒトの関節内圧は陰圧である。
関節運動により関節内圧は変化しており、関節包は関節内圧の影響を大いに受ける。
運動によって通常より更に関節内圧が陰圧になった場合、関節包は関節内に吸い込まれる。
腱板筋は関節包が関節内に吸い込まれないように関節包を支持している。
関節包の伸長
肩関節包は上腕骨頭に対し、約40〜45°内下方から外上方に向けて付着しています。
したがって、正常における関節包の緊張が均一となる肢位が肩甲骨面上で40〜45°外転した状態となっています。
例えば、
上肢を1st肢位(下垂位)とすると、関節包の上方部が伸長され、下方が弛緩する状態となります。
この場合は、関節包の伸長された上方部が、元に戻ろうと骨頭を臼蓋へ引きつける事で、骨頭を安定させます。
逆に、上肢を45°以上に挙上すると、関節包の上方部が弛緩し下方部が伸長される状態となります。
この場合も上記と同様に、関節包の伸長された下方部が、元に戻ろうとする事で骨頭は下方へ抜けないように支持されます。
外旋した場合では、関節包の前方が伸長される事で骨頭の前方への逸脱を防ぎます。
内旋した場合では、関節包の後方が伸長される事で骨頭の後方への逸脱を防ぎます。
詳しくは、こちらをクリックしてみて下さい。↓
次回の記事では、
・なぜ疼痛が生じるのかの解釈や評価・介入
をまとめていきます。
最後まで、閲覧して頂き有難うございました。
参考書籍・文献
・工藤慎太郎:運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略.医学書院
・村木孝行:肩関節痛・頸部痛のリハビリテーション.羊土社
・林典雄:改訂第2版関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション上肢・体幹.メジカルビュー社
・林典雄:機能解剖学より捉えた関節拘縮の考え方.
・酒井吉仁:関節可動域制限に対するモビライゼーションのエビデンス.2003
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