腰痛を理解する。〜伸張ストレス編〜
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管理人のYudai@yudai6363)です。

 

今回は「伸張ストレスによって生じる腰椎」について理解を深めていきます。

伸張ストレスによる腰痛

座位や立位などの抗重力姿勢の場合、胸郭の重みが前方に倒れる力を発生させる為、腰部の筋に伸張ストレスが生じます。

 

伸張ストレスが強まる動作として、

・頭頸部が前方に変位する動作

・上肢挙上位の動作

・重量物を持ち運ぶ動作

などが挙がり伸張ストレスによって、筋内圧が上昇し結果的に腰痛が生じやすくなります。

 

 

 

原因となる筋

伸張ストレスによって腰痛が生じる場合には、

・固有背筋外側群

・固有背筋内側群

・胸腰筋膜

などが過緊張となっている可能性があります。

 

 

 

1)固有背筋外側群

・概要

固有背筋外側群には最長筋腸肋筋が含まれており、椎体間を多分節にわたって走行し脊柱の大きな運動を担います。

 

また固有背筋外側群は伸展モーメントの約80%を担っている事から、胸腰部への伸張ストレスは固有背側筋群が影響を受けています。

 

さらに姿勢不良や重労働な作業、スポーツなど継続的に行うと固有背筋外側群の緊張が高まり柔軟性も欠如されます。

 

よって下方へのリーチを要する動作(床下の物を拾うなど)に対して疼痛が生じ、体幹前屈への制限が生じます。

 

 

☆最長筋の起始停止

 

 

☆最長筋の触診

 

 

☆腸肋筋の起始停止

 

 

☆腸肋筋の触診

 

 

また下のイラストから見て分かるように、伸展運動では最長筋のほうが作用は大きく、逆に伸展・回旋運動を伴う運動では腸肋筋のほうが作用は大きくなっています。

 

 

 

2)固有背筋内側群

・概要

固有背筋内側群は椎骨の横突起と棘突起のスペースに存在する筋群となっています。

 

固有背筋内側群には、1椎体間をつなぐ短回旋筋2椎体間をつなぐ長回旋筋3椎体間以上をつなぐ多裂筋が存在します。

 

多裂筋の深部線維は椎体間の安定性に大きく関与し下肢の運動においても影響を受けます。

 

また腰部の多裂筋は腰椎の生理的前弯位で最も活動量が高く、後弯位で最もが筋活動低くなっています。

 

つまり、伸張ストレスによって腰部の後弯位になると腰部多裂筋の筋機能は低下し、さらに椎体間の安定性が低下する事で、下肢の運動まで影響を及ぼします。

 

 

☆多裂筋の起始停止

 

 

☆多裂筋の触診

 

 

3)胸腰筋膜

・概要

胸腰筋膜は固定背筋外側群を取り囲むように浅葉と深葉の2葉に分けられます。

 

浅葉の上部では広背筋や下後鋸筋が起始し、下部では大殿筋と連結します。

 

深葉は脊柱起立筋、多裂筋、腹横筋、内腹斜筋の起始部となり連結します。

 

つまり胸腰筋膜を介して体幹を多くの筋が連結している為、機能不全が生じると体幹の多くの筋活動に影響を及ぼします。

 

また胸腰筋膜の血管周囲には機械受容器が存在しており、関節の位置や動きを感知し安静時の姿勢制御や運動時の体感制御を担っています。

 

 

  

疼痛誘発テスト

・前屈動作テスト

前屈動作テストの検査肢位として、直立位にて両下肢は肩幅程度に外転位し、壁などに殿部や下肢を接地しないように前屈します。

 

その際に腰痛が生じた場合、固有背筋群・胸腰筋膜に伸張ストレスが生じている事になります。

 

 

 

疼痛が生じる要因

固有背筋群・胸腰筋膜に伸張ストレスが生じ疼痛が生じる一要因として筋力低下が挙がります。

 

重力下において胸郭を含む上半身の重量は固有背筋群で支持し、胸腰筋膜は体幹の多くの筋を連結しています。

 

固有背筋群・胸腰筋膜が筋力低下すると、腰部の筋全体が過緊張となり前屈した際に疼痛が生じます。

 

 

☆MMT

対象者は腹臥位にて両手を頭の後ろで組みます。

 

対象者の股関節伸展筋が正常な場合は足関節を下半身で固定し、股関節伸展筋が減弱している場合は骨盤で下半身を固定します。

 

◯評価基準

・段階5
→安定感を伴って臍の位置まで反り返る事が可。 

・段階4
→臍が浮く位置まで反り返る事が可だが最終域では不安定。 

・段階3
臍の位置まで上げられる程度に反り返る事が可。

 ・段階2
運動範囲の一部を動かす事が可。

 ・段階1
筋収縮活動の触知が可。

 ・段階0
筋収縮を認めない。

 

 

Sorensen test

 対象者は腹臥位にて体を上前腸骨棘と臍の間のレベルでベッドの端から外へ出し、屈曲位をとらせ両上肢は胸の前で組みます。

 

対象者は体幹を水平まで挙上し、その姿勢を保持します。

 

腰痛の無い男性は80〜120秒、女性では140〜230秒であり、腰痛が生じている場合は男女混合で110±50秒となります。

 

 

 

運動療法

 

腰痛が生じている場合は過度な筋緊張を抑制する必要があります。

 

大きな脊柱運動を伴わないホールドリラックスなどが有効です。

 

固有背筋は体幹屈曲群、股関節周囲筋などの影響を受ける為、疼痛が減少すれば骨盤、腰痛をコントロールさせながらの全身運動を行っていきます。

 

 

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参考文献

・工藤慎太郎:運動療法の「なぜ?」がわかる超音波解剖.医学書院.2014

・工藤慎太郎:運動療法の「なぜ?」がわかる評価戦略.医学書院.2017

・菅俊光:腰椎疾患に対するリハビリテーション ―運動療法とセルフトレーニングを中心に―.脊髄外科VOL. 31.2017

・河上敬介:改正第2版骨格筋の形と触察法.(株)サンカラー.2013

・林典雄:改訂第2版関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション上肢・体幹.メジカルビュー社.2014