寝返り動作を理解する。〜寝返りの動作分析を中心に〜
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管理人のYudai@yudai6363)です。

 

寝返り・起居動作を中心にシリーズ化にて解説していきます。

 

今回の内容は、寝返り動作における動作分析について述べていきます。

 

寝返りの動作分析

第1相

頭頸部のわずかな屈曲と回旋が起き、上側の肩甲帯の前方突出とリーチが起きるまでの区間を指します。

第1相の運動の開始部位は頭頸部であり、頭頸部の屈曲と回旋が先行して起きます。

その後、上側になる肩甲骨が胸郭面上で前方突出し、上肢が寝返る側へリーチされます。

 

 

▶︎頭頸部のコントロール

頭部と頸部の位置関係は、上部頸椎C1〜C3の関節、靭帯、頭頸部の筋紡錘などの受容器などによって検知され、この情報に基づいて四肢の姿勢筋緊張に変化が起こります。

 

寝返り動作では、動作に先行してわずかな頭頸部の屈曲と寝返る側への回旋が生じ、このわずかな頭頸部の屈曲によって腹筋群や股関節屈曲筋などの体幹前面筋の緊張が高まり、屈曲回旋パターンの寝返りが可能となります。

つまり、屈曲回旋パターンの寝返りが獲得される為には、頭頸部の屈曲が重要となります。

反対に上位頸椎が伸展し下位頸椎が屈曲する様な場合では、背筋の筋緊張が優位となり、腹筋群の緊張が高まりにくくなります。

 

 

▶︎上部頸椎の屈曲に働く主動作筋

上部頸椎の屈曲に働く主動作筋は、頸部の深層で椎体の前面を走行する頭長筋や頸長筋、舌骨筋群となります。

※胸鎖乳突筋は頸部の屈曲に関与するが、上部頸椎では伸展に働く為寝返り動作において関与しません。

 

 

▶︎肩甲骨の前方突出と上肢リーチ

肩は体側から出っ張り出している為、寝返り動作において身体の回転運動を妨げる阻害因子となります。

その為、肩甲帯を前方へ突出する事が出来なければ上部体幹を回旋させて寝返る事が困難となります。

 

寝返りの第1相における肩甲骨の前方突出は、前鋸筋の活動によって誘導されます。

その他にも前鋸筋の拮抗筋である僧帽筋中部線維の作用も重要になります。

 

 

 

第2相

上部体幹が回旋運動を始め、上側の肩が下側の肩の上に配列される区間を指します。

第1相による肩甲帯の前方突出と上肢のリーチ動作に続き、第2相では上部体幹(胸椎→腰椎)で回旋し、体軸内で回旋が生じ上部体幹が寝返る方向へ回転します。

体軸内の回旋は、上部体幹が先行して回旋し、下部体幹の回旋へと波及します。

また、胸椎が回旋し始める頃から、寝返る側へ身体重心を移動させる為、下肢が支持面を操作します。

 

 

▶︎上部体幹の体軸内回旋

肩甲帯の前方突出に続き、脊柱の回旋が上部体幹から下部体幹へと波及します。

回旋運動は、分節的かつ波及的に体幹を捻るように体軸内で起こります。

この体軸内で起こる回旋運動を体軸内回旋といいます。

 

体軸内回旋は主に胸椎で起こり、主動作筋は上側の外腹斜筋と下側の内腹斜筋となります。

 

その他にも、胸椎部が回旋する為には肋骨の可動性も必要であり、肋骨間の可動性は肋骨筋や肋骨をまたいで付着する前鋸筋や大胸筋、小胸筋、最長筋、胸腸肋筋、外腹斜筋、腹長筋などの伸張性に影響を受けます。

これらの筋の伸張性が低下すると肋骨間の可動性が低下し、結果的に胸椎の可動性に制限が生じます。

 

また背臥位から重力に逆らって体幹を屈曲回旋させる為には、骨盤と下肢が筋による連結が必要となります。

骨盤と下肢を連結する主動作筋は大腿直筋や長内転筋であり、これらの筋は頭頸部のわずかな屈曲によって体幹前面筋の緊張が誘発される事で活動し、臥位からの抗重力屈曲活動に重要な役割を担います。

 

 

 

第3相

上部体幹の回旋に続いて下部体幹が回旋を始め、側臥位になるまでの区間を指します。

第3相は第2相と異なる回旋パターンを呈し、第2相では固定された下部体幹に対して上部体幹が回旋するのに対し、第3相では固定された上部体幹に対して下部体幹の回旋運動が起こります。

つまり、回旋運動が逆転し先行した上部体幹の回旋に下部体幹の回旋が追い付き側臥位が完成します。

 

 

▶︎下部体幹の体軸内回旋

第3相では上部体幹の運動を止め下部体幹を回旋し、下部体幹が上部体幹に対して復元するように働き側臥位を完成させます。

その為、第2相の動きと真逆になり、腹斜筋群の収縮は、尾側から頭側方向へ体節を引っ張るように上側の内腹斜筋が先に活動を開始し、下側の外腹斜筋がやや遅れて活動を開始します。

 

 

 

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参考文献

・石井慎一郎:動作分析 臨床応用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践.株式会社メジカルビュー社.2019

 

 

 

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