歩行周期を理解する。〜立脚期・遊脚期の歩行分析〜
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管理人のYudai@yudai6363)です。

 

今回は歩行分析について解説していきます。

 

歩行周期

歩行は左右の下肢が対称的な交互運動(2歩を1周期とする繰り返し運動)を周期的に繰り返すのが特徴で、1周期の各時間帯を「期・相」と呼びます。

 

歩行における運動周期は、大きくわけて2期から成り立ち、足が床に着いている期間を「立脚期」と呼び、足が床に着いていない期間を「遊脚期」と呼びます。

 

また、両足が床に着いている期間を「両脚支持期」、片足のみが床に着いている期間を「片脚支持期」と呼びます。

 

歩行1周期に占める立脚期と遊脚期の割合は、立脚期が60%、遊脚期が40%に相当します。また、立脚期の最初と最後は両脚支持期であり全体の20%に相当します。

 

 

 

立脚期

立脚期の役割として、前方へ推進する為の力と、体重を支持する為の力を発揮する事が挙げられます。

 

また、立脚期は以下の5つに細分化する事が可能になります。

1)初期接地:IC

2)荷重応答期:LR

3)立脚中期:MSt

4)立脚後期:TSt

5)前遊脚期:PSw

 

 

初期接地:IC

・ICは両脚支持期であり、観察肢が床から接地した瞬間。

・歩行周期は0%

・足関節は底背屈0°、膝関節は屈曲0〜5°、股関節は屈曲20〜30°にて踵から接地、反対肢は踵が離地し前遊脚期(PSw)にあたる。重心は両下肢の間となる。

・ICの役割として、下肢の剛性を高め接地後の衝撃に備える為のアライメントを構成する。

 

 

荷重応答期:LR

・LRは両側支持期であり、ICから始まり反対肢の足が地面から離れるまでの区間。(観察肢が体重の60%荷重がかかる時期)

・歩行周期は約0〜10%

・足関節は底屈5°、膝関節は屈曲15〜20°、股関節、骨盤、体幹はICの角度を保持する。

・LRの役割として、踵を中心とした回転軸運動により身体重心が前方に移動する事により、衝撃の吸収や安定した荷重の受け入れ、観察肢の体重支持、前方への推進が可能となる。

 

 

立脚中期:MSt

・MStは片脚支持期であり、反対肢の足が地面から離れた瞬間から観察肢の踵が床から離れるまでの区間。

・歩行周期は約10〜30%

・足関節は背屈5°、膝関は屈曲5°まで伸展、股関節は伸展0°となり、身体重心は観察肢上となる。

・MStの役割として、足関節が回転軸になり身体重心が前方に移動する事により、観察肢の前足上部まで身体重心を移動させる事や、安定した片脚支持が可能となる。

 

 

立脚後期:TSt

・TStは片脚支持期であり、観察肢の踵が床から離れた瞬間から反対肢のICまでの区間。

・歩行周期は約30〜50%

・足関節は下腿三頭筋によって背屈10°で制限され踵が床から離れ、膝関節は屈曲5°、股関節は伸展20°、中足指間関節は30°まで伸展し身体重心は観察肢上となる。

・TStの役割として、支持期の足を越えて重心を前方へ推進させる事や、身体重心の前方への加速にブレーキをかける事が挙がる。

 

 

前遊脚期:PSw

・PSwは両側支持期であり、反体肢のICから観察肢のつま先が床から離れるまでの区間。

・歩行周期は約50〜60%

・股関節は伸展10°まで屈曲し、膝関節は屈曲40°、足関節は底屈15°、中足指間関節は60°まで伸展し、身体重心は反対肢へと移動する。

・PSwの役割として、遊脚期の為の準備と体重支持の受け渡しとなる。

 

 

 

遊脚期

遊脚期の役割として、遊脚肢をつまずかせないように前方へ降り出すなどが挙げられます。

 

また、遊脚期は以下の3つに細分化する事が可能になります。

1)遊脚初期:ISw

2)遊脚中期:MSw

3)遊脚後期:TSw

 

 

遊脚初期:ISw

・観察肢のつま先が床から離れた時点から、両側の足関節が矢状面で交差するまでの区間。

・歩行周期は約60〜75%

・股関節は屈曲15°、膝関節は屈曲60°、足関節は底背屈0°中間位であり、身体重心は反対肢へと移動する。

・ISwの役割として、床から足を離陸させる事や、遊脚肢を前方へ振り出す事が挙がる。

 

 

遊脚中期:MSw

・両側の下腿が矢状面で交差した時点から、観察肢の下腿が床に対して直角になった時点までの区間。

・歩行周期は約75〜90%

・股関節は屈曲25°、膝関節は屈曲25°と伸展、足関節は底背屈0°中間位を保ち、身体重心は反対肢上となる。

・MSwの役割として、遊脚肢を前方へ振り出す事や、足と床面との距離を確保する事が挙がる。

 

 

遊脚後期:TSw

・観察肢の下腿が床に対して直角になった時点から、踵が接地するまでの区間。

・歩行周期は約90〜100%

・股関節は屈曲20〜30°、膝関節は屈曲5°と伸展を続け、中足指間関節は25°まで伸展し、身体重心は両下肢の中心に移動する。

・TSwの役割として、遊脚肢を前方に運ぶ事を終了する為に大腿・下腿が前方に振り出される事に対してブレーキをかける事が挙がる。

 

 

 

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参考文献

・石井慎一郎:動作分析 臨床応用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践.株式会社メジカルビュー社.2019

・江原義弘:歩行分析の基礎-正常歩行と異常歩行-.日本義肢装具学会誌.2012